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エボラ出血熱

世界を震撼!エボラ出血熱

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2014年10月14日までに報告されたエボラウイルス病の疑い例から確定例までの総計は診断例9,216症例と死亡例4,555症例となっています。感染の影響を受けている国はギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、スペイン、アメリカ合衆国です。
セネガルでは、9月5日に唯一の確定症例から2度のEVD検体の陰性が確認されてから42日が経過し、WHOは公式にセネガルでのエボラ流行が終息したと宣言しました。
今回はそのエボラ出血熱についての情報を集めてみました。
エボラ出血熱はエボラウイルスによる急性熱性疾患であり、ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱とともに、ウイルス性出血(ViralHemorrhagic Fever:VHF)の一疾患です。
本疾患が必ずしも出血症状を伴うわけではないことなどから、近年ではエボラウイルス病(Ebola virus disease: EVD)と呼称されることが多いです。(以後、EVDと略して表示)
EVDで重要な特徴は、血液や体液との接触によりヒトからヒトへ感染が拡大し、多数の死者を出す流行を起こすことです。
そのため、EVDの流行は、しばしば注目を浴びてきました。
2014年10月、西アフリカ諸国で起こったEVDの流行は2014年3月にギニアで集団発生から始まり、住民の国境を越える移動により隣国のリベリア、シエラレオネへと流行地が拡大しました。
EVD患者の発生が持続しており、これまで知られている流行のうち最も大きな流行となりました。
なお、WHOは2014年8月8日に本事例をPublic Health Emergency of International Concern(国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態)とし、流行国等に更なる対応の強化を求めました。 

症状

EVDの最も一般的な症状は、突然の発熱、強い脱力感、筋肉痛、頭痛、喉の痛みなどに始まり、その後、嘔吐、下痢、発疹、肝機能および腎機能の異常、さらに症状が増悪すると出血傾向となります。
検査所見としては白血球数や血小板数の減少、および肝酵素値の上昇が認められます。
潜伏期間は2日から最長3週間といわれており、汚染注射器を通した感染では短く、接触感染では長くなるようです。
集団発生では致命率は90%にも達することがあります。
また、EVDの元々の宿主はコウモリの一種ではないかと考えられており、感染した人または動物の血液などの体液と直接接触した場合に感染の危険が生じます。

病原体・感染経路

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エボラウイルスはマールブルグウイルスと共にフィロウイルス科(Filoviridae)に属します。
短径が80?100nm 、長径が700?1,500nm で、U字状、ひも状、ぜんまい状等多形性を示しますが、組織内では棒状を示し、700nm 前後のサイズがもっとも感染性が高いようです。
EVDを引き起こすエボラウイルスには5つの種(ザイール、スーダン,ブンディブジョ、タイフォレスト、レストン)が存在し,レストンエボラウイルス以外はサハラ砂漠以南の熱帯雨林地域で発生したEVDの流行の原因となっています。
2014年に西アフリカで発生したエボラウイルスについては、ギニアで発生しているエボラウイルスの遺伝子情報から系統樹解析が行われています。
それによると、このウイルスはアフリカ中央部のコンゴ民主共和国・コンゴ共和国・ガボンで発生したことのあるザイールエボラウイルスに分類され、ザイールエボラウイルスに極めて近縁のエボラウイルスであるとの結果が得られました。この結果は西アフリカで発生しているエボラウイルスがアフリカ中央部に由来することを強く示唆するものですが、いつ頃、どのような経路で西アフリカに移動したのかは分かっていません。
5つの種の中でザイールエボラウイルスは最も強い病原性を示します。
EVD流行における高い致命率(約60%)は、原因ウイルスの病原性が高いことに起因していると考えられます。
EVDは感染したヒトまたは動物の血液などの体液と直接接触した場合に感染の危険が生じます。
ヒトへの感染の発端が、アフリカでは熱帯雨林の中で発見された感染して発症または死亡した野生動物(チンパンジー、ゴリラ、オオコウモリ、サル、レイヨウ、ヤマアラシなど)をヒトが触れたことによると示唆される事例が報告されています。
その後、感染したヒトの血液、分泌物、臓器、その他の体液に、創傷のある皮膚や粘膜を介して直接的接触することにより、またはそのような体液で汚染された環境への間接的接触でヒト-ヒト感染が起こります。
地域で行われていた葬式の風習も(会葬者が遺体に直接触ること)、EVDの感染伝播に寄与したと考えられます。
接触感染予防対策が適切になされないこと、適切に実施できない環境にあることが、医療従事者における感染の原因でしょう。
EVDは基本的に稀な疾患ですが、エボラウイルスに感染しないためには、流行が知られている地域に行かない(そのための情報をあらかじめ収集する)、野生動物の肉を生で食さないことが重要です。
流行地では患者(感染者)の体液(排泄物を含む)や、患者が触れた可能性のある物品に触れないようにし、十分な手洗いを実践することが重要です。

治療・予防

現時点で承認されたワクチンや治療薬はありませんが研究段階にあるいくつかの薬剤は西アフリカでの発生を受けて,承認前のヒトへの投与について検討がなされています。
治療は対症療法のみで、抗体が検出されるようになると急速に回復に向かいます。
疑い患者の血液等を素手で触れないこと(手袋を必ず使用する)が重要であり空気感染はありません。

その他のウイルス性出血熱

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現在、海外ではいくつか注目すべき感染症が流行しています。
FORTH(厚生労働省検疫所)サイトの「国・地域別情報」に国・地域別の感染症の流行状況、予防方法、体調が悪くなった場合の対応などの情報が掲載されていますので海外旅行をされる方は下記のサイトにて御確認ください。   
http://www.forth.go.jp/destinations/index.html
参考:国立感染研究所

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