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トイレが近い原因“過活動膀胱”
原因と治療法
血圧との関係にも注目

第45号 トイレが近い原因“過活動膀胱”

過活動膀胱は2001年に新しく定義された疾患で、自分の意思と関係なく膀胱が
勝手に収縮し、頻尿や尿もれを引き起こす病的な状態を言います。
突然の強い尿意が頻繁に起こるため、日常生活に支障を来たします。

過活動膀胱の症状(過活動膀胱ガイドラインより)
□ 尿意切迫感……急に尿意が起こり、がまんすることが難しい
□ 頻尿……………1日に8回以上排尿がある
□ 夜間頻尿………就寝中、排尿のために1回以上起きる
□ 切迫性尿失禁…尿意と同時に起こる尿もれがある
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2002年に行われた調査※によると、40歳以上の男女の約12%(患者数800万人以上)、70歳以上では30%以上の人が過活動膀胱であると推定されています。
しかし、トイレが近くなったり多少の尿もれがあっても『病気とは思わない』、『恥ずかしい』などの理由により、病院を受診する人は少ないようです。
        ※日本排尿機能学会誌:14:266-277,2003 本間之夫ほか

過活動膀胱の原因

過活動膀胱による症状は膀胱周辺の筋肉の機能異常による頻尿・尿もれなど
ですが、その原因ははっきりしないことが多いようです。原因がわかる場合は
脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、
それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものに大別されます。

神経因性…脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、パーキンソン病、骨髄損傷など
非神経因性…前立腺肥大症、骨盤底筋の衰えなど
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◆頻尿が起こる他の病気との鑑別が重要
過活動膀胱の場合、尿の色には変化がありません。
もし尿に血が混じっていたり、白く濁っていたりする場合は、
膀胱炎糖尿病の可能性があります。また、発熱や痛みがある場合は、
腎盂腎炎や間質性膀胱炎などの疑いがあります。腹圧性尿失禁、尿路結石など、他にも頻尿が起きる病気は様々です。安易な自己判断は避けましょう。

◆血圧を一定に保つための頻尿
寒い季節にはトイレが近くなりますが、この頻尿は病気が原因ではありません。
寒さによって末梢血管が収縮し、血圧が上がると、腎臓にある糸球体傍細胞が
血圧の上昇を感知し、尿量が増えるからです。尿量を増やすことで血液量を調節し、血圧が上がり過ぎないようにしているのです。トイレが近くて困っている人は、体を温めることで末梢血管の収縮を抑えると良いでしょう。
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膀胱を鍛える運動
◆膀胱訓練…トイレをがまんして排尿の間隔を延ばし、
膀胱が尿を十分に溜められる状態を取り戻します。
尿路感染症や前立腺肥大症などの場合は症状を悪化させることもあります。

◆骨盤底筋体操…肛門や膣を繰り返し締めたり緩めたりすることで、
尿道を締める力を強くする運動です。
1. 1分間のうち約10秒、骨盤底筋を締める。
2. 残りの50秒は、力をぬく。
3. 1~2を10回くり返す(つまり10分間行う)。
力を入れるのは、肛門・膣・尿道口で、肩・お腹・足には力を入れない。
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過活動膀胱治療薬の問題

 過活動膀胱の症状には、膀胱の過度の収縮を抑える抗コリン薬
(イミダフェナシン、ソリフェナシン、プロピベリンなど)が用いられます。
しかし、過活動膀胱が現れる高齢者層には抗コリン薬を使いにくい事情があります。
高齢者は糖尿病高血圧などの疾患を抱えているケースが多く、それ
らの疾患や併用薬によっては口渇・便秘などの副作用がでやすくなるからで
す。特に抗コリン薬の使用が難しいのは高齢の男性です。高齢男性の過活
動膀胱は前立腺肥大との合併が多く、その場合、抗コリン薬が尿閉を助長
することがあるからです。使用にあたっては医師とよく相談してください。
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腎の衰えを漢方で治療する

尿の貯蔵と排泄は膀胱で行われていますが、漢方ではこの膀胱の機能が「腎」によって調節されていると考えます。漢方でいう腎は、腎臓というひとつの臓器だけを指すのではなく、排尿・排泄、水分代謝、ホルモン分泌調節などの機能の総称です。
腎の機能が衰えた状態を「腎虚」といい、腎虚になると「水」に関する異常が
起こります。排尿トラブルはその腎虚による症状の一つです。
排尿トラブルなどの症状を改善するためには、その原因である腎虚を治療します。
それには腎機能の衰えを回復させる漢方薬を使用します。一般的にこれらの
漢方薬は尿トラブル以外の症状(四肢の冷え、倦怠感、口渇、むくみなど)も
改善します。

排尿トラブルに使用される主な漢方薬

八味地黄丸
効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、
尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの次の諸症:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、
夜間尿、頻尿、むくみ高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ

六味地黄丸
効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、
口渇があるものの次の諸症:
排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、かゆみ、夜尿症、しびれ

これ以外にも生薬で鹿茸などは頻尿や尿失禁によく使われています。

生薬 鹿茸
マンシュウアカジカ〔馬鹿〕又はマンシュウジカ〔梅花鹿〕の雄の幼角(袋角)

温腎益精薬
性味:温・甘鹹  帰経:肝・腎
温腎壮陽:腎の陽気を温め補い優れた壮陽作用を有する。陽萎、早漏、不妊症頻尿・尿失禁、四肢冷感を改善する。(人参、熟地黄とともに)
補益精血:精血を滋養する。血虚を伴う重度の陽虚証による倦怠無力感、めまい、耳鳴り、動悸を改善する。 (人参、熟地黄とともに)
補腎・強健筋骨:腎気を補い筋骨を強健にする。(腎虚による筋力低下)

鹿茸配合生薬製剤 天 好(てんこう)【第3類医薬品】

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