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病気の症状・治療法


病気について(低血圧)


もくじ

低血圧とは

高血圧には世界保健機関(WHO)等による国際的な基準がありますが、低血圧にはこのような基準は現在ありません。 血圧が正常よりも低い状態、一般に収縮期血圧(最高血圧)100~110mmHg以下を低血圧といっています。

自覚症状として、めまい、ふらつき、朝起きた時に爽快感が得られないなどの症状があり、この様な症状は若い女性に多いと思われていますが、厚生労働省が平成17年度に低血圧での病院への受診者数を調査した結果、若い女性よりも高齢の女性の方に多くなっております。


H17年度 低血圧による病院への受診者数(厚生労働省調べ)

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低血圧の分類

低血圧は慢性持続性低血圧症、起立性低血圧、急性低血圧に分類されます。慢性持続性低血圧はさらに、本態性低血圧と症候性低血圧に分類されます。また、起立性低血圧にも症候性起立性低血圧と、特発性起立性低血圧(シャイ・ドレーガー症候群を含む)のもがあります。


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本態性低血圧

一般的に低血圧と言われているのが、この本態性低血圧です。低血圧を引き起こす病気や異常がなく、血圧だけが正常値よりも低いものをさします。原因ははっきりしませんが、生まれつき低血圧になりやすい遺伝性の体質の為と考えられています。この低血圧は、本態性高血圧の様に進行して、脳、心臓、腎臓などに障害をおよぼすということはありません。血圧が低いため、動脈硬化の進行はむしろ遅くなり長寿を全うする人が多いと言われています。
症状は多種多様の訴えがみられ、多くの場合、同時に数多くの症状を訴えるため、不定愁訴と呼ばれています。そのため、自分が病気だと思いこみ診察を受けるのですが、検査しても異常が見られないため、ノイローゼや自律神経失調症として取り扱われることが多くあります。



症候性低血圧

明らかに原因となる病気があって、血圧が低くなっている状態を、症候性低血圧と呼んでいます。原因として次のようなことが考えられます。心疾患による心拍出量の低下、ホルモン異常、甲状腺機能低下症による交感神経刺激が低下、また副腎機能の低下により痩せてしまう。さらに下垂体前葉機能低下症によって脳の下垂体前葉からの分泌されるいろいろな刺激ホルモンがすべて不足する全身無気力状態などです。そのほか、悪性腫瘍、胃・十二指腸潰瘍などによる栄養障害、心臓病や結核で長時間寝たままの状態でいても血圧は低下します。


<症候性低血圧症の原因疾患>

心臓疾患心筋梗塞、心筋症、狭心症、心筋炎、大動脈弁狭窄症、心タンポナーデ、徐脈性・頻脈性不整脈など
循環血液量減少出血、脱水と塩類喪失、貧血など
内分泌疾患副腎不全(アジソン)、甲状腺機能低下、下垂体機能低下、高ブラジキニン血症、低血糖など
神経疾患多発性硬化症、脊髄空洞症、脳腫瘍、脊髄断裂、糖尿病性神経症、純粋自律神経不全など
代謝性疾患低ナトリウム血症、低たんぱく血症など
感染症・中毒敗血病、エンドトキシックショック、アルコールなど




起立性低血圧

急に立ち上がったり、長時間立ち続けていたりすると、立ちくらみ、めまいなどを訴えるものを起立性低血圧と呼んでいます。この起立性低血圧には原因の明らかな症候性起立性低血圧と、原因不明の特発性起立性低血圧とがあります。
立っている姿勢の時、血液は重力の影響で上半身から減少し、下半身に増加する傾向(約700mLの血液が下肢にプールされると言われている)がありますが、健康な人では自律神経の作用で下半身の血管を収縮させ、血液量の配分を調節します。しかしこの血液の循環を調節する機構のどこかに障害が生じると、血圧が低下することがあります。起立時の収縮期血圧が20mmHg以上低下した場合に起立性低血圧と診断されます。



症候性起立性低血圧

この低血圧の原因と考えられる病気にはいろいろなものがあり、その一つとして糖尿病性神経症などによる自律神経障害、脊髄癆、パーキンソン病などによる神経疾患、心疾患、ホルモンの分泌異常などです。また交感神経遮断薬、精神安定剤などの服用による薬剤性の低血圧も含まれます



特発性起立性低血圧

原因不明の起立性低血圧を、特発性起立性低血圧と呼んでおります。めまい、立ちくらみ、吐き気などの脳症状を起こしますが、症状が強いときには失神することもあり、動悸や脈が早くなるなどの心臓症状も現れることがあります。通常は症状も一時的なもので、体を横にしていれば血圧は正常に戻ります。また運動等で筋肉を鍛錬することで、起立性低血圧を改善することもできます。

その他、特発性起立性低血圧にはシャイ・ドレーガー症候群という低血圧があります。この低血圧は、自律神経症状だけでなく、小脳等の広範な運動神経が障害されるために、報告者の名前を付けてシャイ・ドレーガー症候群と呼んでいます。40~60歳代の男性に多く発症し、症状は徐々に進行します。一般的な起立性低血圧にみられる症状のほかに尿や便の失禁、汗が出ない、眼球運動の障害、手の震え、筋肉の委縮などをおこします。



急性低血圧

急性低血圧は、ショック症候群とも呼ばれ、心筋梗塞、大量出血、重症感染症、薬剤性ショックなどが原因で、急激に血圧が下がってしまう状態をさします。この場合は、救急入院していただいてただちに治療を受けなければなりません。応急処置が遅れると死亡してしまうこともあります。



低血圧に伴う症状

低血圧時には上半身の血液量が不足し様々な症状が出ます。

めまい立ちくらみ不眠頭痛だるさ疲れ
肩コリ疲れ目朝起き不良食欲不振胃のもたれ吐き気
下痢・便秘腹痛脈が乱れる発汗冷え動悸




低血圧の治療

低血圧の治療も高血圧治療と同様に、非薬物療法と薬物療法に分けられます。症候性低血圧や薬剤性低血圧の場合はその要因の除去が重要になることは言うまでもありません。本態性低血圧の場合は非薬物療法と薬物療法を併用することが多いです。


非薬物療法

生活習慣・過労を避け、十分な睡眠をとり、規則正しい生活を行うようにします。
(本態性低血圧の場合、症状と血圧の間に関係が認められないことが多く、心因反応関連(過労)の緊張異常による症状としても考えられています。)

・ 体位変換時に症状が現れる場合は、急激な動作を避けゆっくり行うようにします。

・ 人混みや、猛暑の時に症状が出現、憎悪する人もその状態を避けるように注意します。
食事療法水分摂取量を多くし、特に他の病気がない場合は塩分も多めに摂取してもかまいません。その他にたんぱく質、ミネラル、ビタミンに富んだ食事や、食後のコーヒーを1日1~2杯摂取するのも良いでしょう。
その他起立性低血圧の患者さんではめまいや失神発作を予防するために次の方法がよく行われます。

1)睡眠時に頭部(上半身)をやや高くします(レニン分泌を促し循環血液量と血圧が維持されます)。

2)弾力ストッキング、弾性腹帯、レオタード等の着用(下半身の血液貯留を防止する為)。

薬物療法

分類作用と特徴
α1受容体刺激薬
(メトリジン)
末梢血管α1受容体選択刺激により末梢血管収縮不全を改善し血行動態を改善します。
α・β受容体刺激薬
(エホチール)
非選択的α・β受容体刺激により心拍出量を増加させます。また静脈緊張度の改善により循環血液量を増加させ血圧を上昇させます。
NE再取り込み阻害薬、MAO阻害薬
(リズミック)
NEと競合して神経終末に取り込まれ、NEの神経終末においてNEの不活化を抑制し、関節的に交感神経を亢進させます。
麦角アルカロイド
(ジヒデルゴット)
交感神経終末におけるシナプス前ドパミン受容体刺激によるNE放出を抑制します。またα受容体刺激により血管平滑筋の緊張度を高め血液の静脈内滞留を防止します。
NE前駆体
(ドプス)
生体内に広く存在する芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素により直接NEに変換されて中枢及び抹消において薬理作用を示します。

( )内は代表的な薬剤名






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