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こどもだけじゃない『おねしょ』
ストレスによる“二次性夜尿症”
タイプ別簡易診断方法も

第39号 多くの親子を悩ます“夜尿症(おねしょ)”

夜尿症とは、就寝中に尿を漏らしてしまい衣類や寝具を濡らしてしまう状態が
5~6歳を過ぎても続く症状を言います。通常は5~6歳になると神経・内分泌系や膀胱の機能が整ってきて、自然に夜尿はなくなりますが、それら機能の発達が遅れ、夜尿が続く場合があります。実際に6歳で10%、12歳で3%、18歳で1%程度に夜尿があり、児童・学童期においては女子に比べ男子のほうが2~3倍夜尿に悩む子が多いと言われています。
 夜尿症の主な原因には“夜間の尿量が多いこと”や“膀胱容量が小さいこと”が挙げられます。

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夜間の尿量が多いタイプ
通常は脳の下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモンが、就寝中に多く分泌され、尿を濃縮することで夜間の尿量を減少させています。しかし、神経・内分泌系の未発達や分泌リズムが崩れることにより、尿量が増えます。

~ 簡易診断方法 ~
1. 就寝前にトイレに行き、膀胱中の尿を排出します
2. 紙おむつの重さを測定し、おむつをして寝ます
3. 起床時、濡れた紙おむつの重さを測定します
4. 朝一番にトイレに行って、尿量を計量カップで計測

小学校 1~3年生 ・・・200cc以上
小学校 4年生以降・・・250cc以上
【朝の濡れたオムツ(g) - 元のオムツ(g) + 朝一番の尿(cc)】

上記に該当する場合、夜間の尿量が多いタイプの夜尿症である可能性があります。

膀胱容量が小さいタイプ
夜間の膀胱機能は子どもの成長とともに発達していきますが、膀胱機能が
未発達であるか、知覚過敏であるために膀胱に尿を溜めることが出来ず夜尿を
起こします。また、尿意も頻繁になります。

~ 簡易診断方法 ~
排尿を我慢して、どのくらい尿を溜めることが出来るかを調べます。

小学校1年    150cc以下
小学校2年    200cc以下
小学校3年以降 250cc以下

上記に該当する場合、膀胱容量が小さいタイプの夜尿症である可能性があります。

*これ以外に、上記の2つのタイプが合わさった混合型があります。
このタイプはストレスなど心理的な要因が強く、治療は難しくなると言われています。

ストレス社会に伴い増える“二次性夜尿症”

夜尿症を細かく分類すると乳児期から引き続いて見られる一次性夜尿と、
いったんは落ち着いた夜尿が成長してから再び現れる二次性夜尿があります。

近年、ストレス社会の影響もあり、成人の夜尿症が増加傾向にあります。
なお、成人においては男性よりも女性のほうが夜尿に悩む人が多いと言われています。

原因には
精神的ストレス、遺伝的因子
膀胱機能の発達の遅れ
ホルモン機能の異常
などがあります。
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“夜尿症”の生活指導と注意点

夜尿症の治療には生活指導が第一となり、特に家族が指導する際には
「起こさず、あせらず、叱らず」の3点を念頭に置いて子供に接することが
大原則となります。
 これは、夜尿をしても途中で起こしたり、叱ったりせずに、長い目で治療を
続ける方が、最終的に治る確率が高くなるからです。

具体的な生活指導
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就寝中に起こさない…
睡眠リズムを乱し、抗利尿ホルモンの分泌リズムを乱します

必要以上に昼間のトイレを促さない…
排尿を我慢する訓練により、膀胱に尿を溜める力をつけることが大切です

水分摂取リズムを整える…
朝と昼は多めに水分を摂り、夕方からは控えていく

生活指導でも改善されない場合や重症でなかなか治らない場合などには、
薬物療法が行われます。抗利尿ホルモンの分泌不足が原因であれば、
デスモプレシン点鼻液を用いますが、基本的には不安や緊張を取り除き、
尿の出を抑える効果がある三環系抗うつ薬[クロミプラミン(アナフラニール)、イミプラミン(トフラニール)、アミトリプチリン(トリプタノール)]などが用いられます。

アラーム治療
水で濡れるとアラームが鳴る装置を下着につけて、夜尿と同時に覚醒させる療法です。
これを続けるうちに夜尿の時間帯が朝方にずれていき治っていきます。
その理由は明らかではありませんが、夜尿の直後に覚醒させることが、尿の保持力の増大につながるようです。有効な治療法の1つですが、保険適応外
であるため、現時点では患者が病院にて自費で購入する必要があります。
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東洋医学的に診た“夜尿症(遺尿)”

体質や症状にあわせて体の中から根本治療していく、漢方・生薬を用いた
東洋医学的治療は、夜尿症においても非常に有効と言えます。東洋医学的に診ると夜尿症の原因には大きく3つ挙げられます。

腎陽虚の不足によるもの
老化などによる腎気の不足のため腎の固摂作用と温煦作用が失調して
起こる遺尿です。冬季や寒冷により症状が悪化し、尿量は多く、回数は1~数回。 主な処方:八味地黄丸 など

脾と肺の気の不足によるもの
体内の水液代謝に関わる主な臓腑である脾と肺の機能が失調して起こる遺尿です。食欲不振、軟便などの胃腸障害を伴い、排尿回数は多いが量は少ない。
主な処方:補中益気湯、小建中湯 など

肝と関係のある経絡に湿熱が入ることによるもの
ストレスなどで肝の疏泄機能が上手く働かず「水道通調機能」も低下を起こし、結果的に膀胱の機能が低下して起こる遺尿です。
主な処方:龍胆瀉肝湯 など

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