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新しい生活習慣病NASHってなあに?
非アルコール性脂肪肝炎
改善策

新しい生活習慣病NASHってなあに?

新しい生活習慣病-非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

健康診断で肝機能に「異常あり」と指摘されている人が増えているそうです。
肝機能と言うと「酒」を思い浮かべますが、注目すべきは、それはお酒を
よく飲む人に限ったことではないという点です。肝臓は「沈黙の臓器」と
呼ばれていますように、症状がかなり進行しないと自覚症状は現れません。
SOSが出る前に、肝臓を上手く労わる工夫を身につける必要があります。
肝臓の病気にはウイルスによるものと、生活習慣によるものがあります。
日頃から注意しなければばらないのが「脂肪肝」(註)です。
(註)脂肪肝・・・肝細胞の中に中性脂肪がたまりすぎた状態で、過食、酒類の
飲みすぎ、糖尿病などが原因でおこります。
脂肪肝が進むと肝臓が炎症を起こす肝炎へと進行します。
肝炎というとウイルス性肝炎とアルコール性がよく知られていますが、近年特に
患者が増えているのが「非アルコール性脂肪肝炎
(nonalcoholic steatohepatitis:NASH
“ナッシュと呼びます”)」で、その名の如く、お酒を飲まなくても肝細胞に
炎症が起こる病気です。
NASHはどの様に発症するかについて、広く受け入れられているのは、肥満、
糖尿病、高脂血症などにおける「インスリン抵抗性」によって肝臓に脂肪が
蓄積して脂肪肝になり、それが発展するというケースです。

インスリン抵抗性って?

インスリンは膵臓で作られ血液を巡り、全身の細胞へ到達します。
筋肉の運動や、その他の仕事をするとき必要なブドウ糖を燃やして、
エネルギーに変える大切なホルモンです。
もともと糖尿病は、インスリン分泌不全が原因で起こるとされてきましたが、
最近はインスリンが十分あるのに利用されず血糖値が高くなる糖尿病が増えて
きました。この状態を“インスリン抵抗性”と呼びます。
インスリン抵抗性は、肥満者に多く、体の各細胞はインスリンの働きに鈍感に
なってブドウ糖を利用せず、益々体に脂肪を貯めこみ悪循環に陥ります。
インスリン抵抗性の状態になると、血圧も上がり、糖尿病にとどまらず、
様々な生活習慣病に悪影響がでます。

なぜ今、NASHが注目されているのか?

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米国の約40万人の男性のデータから、肥満は肝癌の危険因子となることが
報告されました。(図2)
また、日本人の糖尿病患者18,385例の死因を調査した日本糖尿病学会からの
報告によると、糖尿病患者の8.6%が肝癌で、4.7%が肝硬変で死亡していることがわかりました。(図3)

これまで肝癌の発生の多くはウイルス性肝炎だったのが、
近年肝炎ウイルスに感染していない肝癌患者が増加傾向にあるようです。
これらの原因としてNASH由来の肝癌が疑われています。

治療薬として

NASHは今のところ確立された薬物療法は存在しませんが、
病態に応じて次のような治療法が行われています。
1)抗酸化剤:ビタミンE、C 
2)糖尿病治療薬:チアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤、シダグリプチン
3)脂質異常症治療薬:フィブレート系製剤、エゼチミブ、EPLなど
4)肝庇護剤:ウルソ、グリチルリチンなど
その他、NASHでは過剰な鉄は肝臓に負担を掛けますので、
鉄を減らすことが重要で、除鉄療法(瀉血療法、鉄制限食など)が行われます。
また、外科的治療として減量手術、肝移植などがあります。

肝臓にたまった余分な脂肪を減らすには?……

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放置しておくと怖い脂肪肝ですが、その原因となる生活習慣の見直しで
改善することが可能です。皆様方には“耳にタコ”で何を今更という感じかも
しれませんが改めて改善策を掲げます。

改善策①・・・・・・『よく歩き、よく眠る』

肝臓の血流促進のためにも、消費エネルギーを増やすためにも、
まず心がけたいのが運動の習慣です。運動といっても、激しいものでなく
散歩やストレッチ、ラジオ体操などの軽い運動で十分です。
但し、20分でも30分でも出来るだけ毎日行うことが重要で、続けることで
代謝が良くなり、肝臓の働きが活発化します。さらに働きすぎの肝臓には癒しの
時間が必要です。それには、夕食は早めにとり、毎日十分な睡眠をとること。
そうする事が疲れた肝臓を元気にする一番の方法です。

改善策②・・・・・・『腹八分でごちそうさま』

食事は食べ過ぎないことが肝心です。特に早食い、ながら食い、
まとめ食いをする人は、適量よりも食べ過ぎてしまう傾向があるので、
ゆっくりとよくかんで食べましょう。食事の栄養バランスにも留意が必要です。
特に肝細胞の修復には、その材料となる良質なタンパク質を含む食品
(鶏肉や白身魚、貝類、豆腐や納豆などの大豆製品)をきちんと摂ることが
大切です。また、肝臓はストレスや煙草など、活性酸素によるダメージに弱いので、
抗酸化成分を多く含む食品(緑黄色野菜や根菜、ゴマ等)を積極的に摂りましょう。
和食中心の家庭料理なら、こうした条件が自然に整いやすいです。

BMIを計算してみましょう(肥満は肝癌発症の危険因子)

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肥満の判定指標にBMI(body mass index)があります。
日本人では、BMIが22のときに一番病気にかかる率が低いことから
「BMI22」を理想体重とし、25以上を太りすぎ(肥満)としています。
●BMIの求め方
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
●BMIによる判定基準
判定      BMI
低体重      18.5未満
普通体重     18.5以上~25.0未満
肥満(1度)   25.0以上~30.0未満
肥満(2度)   30.0以上~35.0未満
肥満(3度)   35.0以上~40.0未満
肥満(4度)   40.0以上
体重減少はNASHの病態改善に有効であることが証明されており、
BMI25以上の場合10%の体重減少を図ります。

NASH診断法

■非飲酒者:エタノール換算で1日20g未満
■他の原因による肝疾患の除外
(ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎)
■単純脂肪肝(進行せず良性の経過をたどる)
よりNASHを疑う血液検査所見
・体内貯蔵鉄量の指標である血清フェリチ
ンが高い。
・血糖値を低下させるインスリン(空腹時)
が高い。(10μU/ml以上)
・肝臓の繊維化の進展度を反映するⅣ型コ
ラーゲン7S(肝臓の繊維化マーカーとし
て知られている)が高い。(5.0ng/ml以上)
NASHの診断に肝生検は必須で、単純性脂肪肝との、鑑別だけでなく、
脂肪や炎症の程度、更に繊維化の進行具合がわかります。

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