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生薬

柴胡(サイコ)

おもな薬能
頭痛、解熱、解毒


サイコ

セリ科ミシマサイコの根を乾燥したものです。

別名

北柴胡、硬柴胡、竹葉柴胡、芽胡

薬味 薬性 帰経

薬味:苦・辛 薬性:微寒 帰経:肝・胆

性 状

セリ科のマンシュウミシマサイコ (北柴胡)、あるいはホソバミシマサイコ (狭葉柴胡)の全草あるいは根を乾燥したもの。『神農本草経』の上品に「茈胡」の名で収載されている。秋に根を掘り取り収穫、洗浄後茎を鋏で切り形を整え、20日位天日で乾燥する。根は細く円錐形~円柱形を呈し、単一又は分枝し、長さ10~20㎝、直径0.5~1.5㎝、表面は灰褐色、全体に縦の深い皺といぼ状の突起がある。折面の質は、堅実で繊維性、黄白色~黄色。

成 分

精油、リモネン、リナロール、サポニン(サイコサポニン)、脂肪酸、ステロール類、カルシウム、カリウム、アルミニウムなどを含む。

薬理作用

  • 中枢神経系に対する作用
    ⑴解熱作用:特に「寒熱往来」を呈する病態の解熱作用に優れる。
    ⑵鎮痛作用  ⑶鎮静作用  ⑷鎮咳作用
  • 抗菌・抗ウイルス作用  
  • 抗炎症、抗浮腫作用  
  • 抗腫瘍作用
  • 免疫増強作用:体液性及び細胞性免疫ともに促進
  • 肝の庇護と利胆作用、抗高脂血症作用
  • 胃液分泌抑制作用、抗消化性潰瘍作用

古典での薬理薬能

陽気を引き上げ、気を巡らせ鬱熱を去る。葛根より升陽作用に優れる

解表退熱
気を巡らせて(疏泄)、鬱熱を発散し取り除く(退熱)。
軽度の発汗作用もある。

  1. 傷寒少陽証治療の重要薬。半表半裏の邪による往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽頭乾燥・めまいなどに多用される。
    (処)小柴胡湯
  2. 表証の外邪が除かれず鬱熱となったための強い身熱・軽度悪寒・頭痛・無汗・心煩・眼痛などに使用される。
    (処)柴葛解肌湯
  3. 瘧疾(ぎゃくしつ)(*)に使用される。生柴胡を多量に用いる。
    (処)柴胡達元飲

疏肝解鬱
肝気をよく伸びやかに巡らせ、気滞を除く。肝気鬱結のための胸腹部痞満・季肋部脹満痛・乳房のしこり・経前乳房脹満・抑鬱気分・焦燥感・月経不調・月経痛などに使用。

  1. 肝血虚証や脾虚証との合併による食欲不振・もたれ・月経失調・顔色不良
    (処)加味逍遥散
  2. 胸腹季肋部の脹満痛(感)
    (処)四逆散・柴胡疏肝散
  3. 肝気鬱結で熱を生じたための焦燥感・眼球結膜充血・頭痛・口苦・黄苔 
    (処)竜胆瀉肝湯・大柴胡湯

升提陽気
清陽の気を上らせることで、下に墜ちた気 (下陥の気)を引き上げる。
脾虚中気下陥証による脱肛・子宮脱・慢性の下痢・めまい・立ちくらみ・下垂感・倦怠感・息切れ・頻尿・ほてり感などに使用される。
(処)補中益気湯・昇陥湯

適応病証

  1. 炎症性感染症とくに呼吸器感染症に対し、高熱、咳嗽を呈する病態。
  2. 慢性肝炎・肝硬変・肝がん    
  3. 高脂血症 
  4. 肝気鬱結を呈する精神神経疾患

注意 禁忌

  • 升散の性質が強く陰や気を消耗しやすい。そのため過度の陰虚証、陰虚火旺証、肝陽上亢証、気逆証には禁忌。また適時、滋陰補血薬や柔肝薬(白芍・当帰など)を配合すべきである
  • 肝硬変と肝癌、及び肝硬変が疑われる「血小板数10万/mm3以下の患者」を禁忌
  1. インターフェロン製剤を投与中の患者
  2. 肝硬変,肝癌の患者(間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。)
  3. 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者(肝硬変が疑われる。)

※小柴胡湯による間質性肺炎の発生
60歳以上の高齢者や慢性肺疾患、アレルギー疾患の既往・合併を有する患者に多く、その機序はまだ十分に解明されていない。しかし、薬剤アレルギーや線維芽細胞からのサイトカイン産生亢進がその機序として考えられている。

柴胡を含有する製品

牛黄清心元
フーロンゴールドS