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生薬

桔梗(キキョウ)

おもな薬能
去痰、排膿、鎮痛、消炎、肺炎、咽喉痛、中耳炎。

 

桔梗

キキョウ科のキキョウの乾燥根です。

別名

百薬(ひゃくやく)・梗(こう)草(そう)・薺苨(せいでい)

薬味 薬性 帰経

薬味:苦・辛 薬性:微温(平) 帰経:肺

性 状

キキョウ科のキキョウの乾燥根。『神農本草経』の下品に収載され、根が結実して梗直していることからこの名がある。中国の大部分の地区に産し、東北・華北地区で産量が多く、通称"北桔梗"といい、華東地区のものは品質がよく"南桔梗"という。
春と秋に採取され、秋に掘りあげたものが比較的質が堅実で品質がよい。堀り上げ後、ひげ根をとり去って、外皮を削りさり、洗浄後日光に当てて乾燥する。円柱形~紡錘形で、しばしば分枝し、長さ10~20㎝、直径1~3㎝、上端に茎を除いた跡がくぼみとなって残る。表面は白色~淡黄白色。外皮を去らないものは、黄褐色~灰褐色。根の上部には横紋があり、横長の根痕がある。質はもろく、断面は平坦。味は淡白で、すこし苦い。
飲片:扁圧して縦切りした薄片で、全体は類白色を呈する。
市場には、皮付きとコルク質を取り去った(晒桔梗)の二種がある。

成 分

プラチコジンを主成分とする10種類余りのサポニンを約2%含有する他、ステロール類、トリテルペン、ビタミンAなどを含む

薬理作用

  • 袪痰・鎮咳作用:気管支の分泌や唾液の分布を促進させる。袪痰作用は、主として含まれているサポニンによる。
  • 抗炎症作用:サポニンの作用とされ、毛細血管の透過性を減弱し、炎症による血液循環を改善、分泌の増加による粘膜の保護などの作用。
  • 抗菌作用:桔梗には直接抗菌作用はないが、食細胞の貪食能を促進し、特に好中球の殺菌力を増強させ、細菌の溶解酵素活性を促し、個体の防御が高められる。
  • 抗消化性潰瘍作用:桔梗に含まれるサポニンは胃液分泌を抑制する。
  • 降血糖作用  
  • 抗高脂血症作用  
  • その他、鎮静、鎮痛、解熱などの作用

古典での薬理薬能

宣肺作用に優れる肺経気分の重要薬。昇散の性質が強く、排膿作用を有す。
化痰作用に優れ寒熱両証に使用される

宣肺化痰・利咽
肺の宣発作用を高めて、咽頭を利し開音し、よく痰を除去し止咳する。また風熱を発散する。肺寒・肺熱両証の咳嗽多痰・胸部痞塞感、外感風寒の咳嗽や外感風熱の咳嗽・咽頭痛・嗄声などに使用される。

  1. 外感風寒咳嗽          (処)杏蘇散   
  2. 外感風熱咳嗽          (処)桑菊飲
  3. 肺の気痰交結による胸部痞塞寒  (配)枳殻・瓜萎など
  4. 咽頭痛・嗄声          (処)清音丸

排膿
良好な排膿作用。肺癰・咽頭炎・扁桃の化膿・皮膚化膿症などに使用

  1. 咽頭炎             (処)桔梗湯   
  2. 肺癰              (処)桔梗湯
  3. 皮膚化膿症           (処)排膿散及湯・十味敗毒湯・清上防風湯

開堤肺気

  1. 肺気の鬱滞を除くことで、表裏関係の大腸や胃の気を降ろしその機能を整える胃腸の気滞による下痢・裏急後重などに使用。
  2. 肺気鬱滞を除き順調に巡らして通調水道作用を高めて利尿を促進する。排尿困難(癃閉)などに使用される。

その他
上昇する性質があり、緒薬を持ち上げ上焦の病症に導く(引経薬)。また、陽気の下降を防ぎ上昇させる。慢性下痢や呼吸困難などに使用。
(処)参苓白朮散・昇陥湯

適応病証

  1. 咳嗽と痰を呈する呼吸器系疾患  
  2. 肺膿瘍や癤(せつ)癰(よう)(*)などの化膿性疾患
  3. 咽喉頭部の炎症性疾患とくに声帯の炎症による嗄声。    
  4. 尿閉・乏尿など排尿困難を呈する疾患には利尿薬との併用により、一層効果が増強される。

(*)陰虚の慢性咳嗽や喀血には禁忌。

注意 禁忌

  • 多量の服用で悪心嘔吐を引き起こすことがある。
  • プラチコジンには強い溶血作用があり、注射で用いることは禁忌。

おもな薬能

去痰、排膿、鎮痛、消炎、肺炎、咽喉痛、中耳炎

桔梗を含有する製品

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マイフーロンゴールド錠