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気管支喘息について
発症のメカニズム
予防と対策

第64号 気管支喘息について

調合したハーブをレンガで温め、煙を吸入する (エーベルス・パピルス)

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「エーベルス・パピルス」は現存する最古の医学文書のひとつで、紀元前1550年頃に書かれました。上記の言葉は、この文書にみられる気管支喘息の治療法で、古来より人類がこの病に悩まされてきたことがうかがえます。
さて、気管支喘息の発症は、晩夏から初冬の限られた期間において、気温の低いとき、気温が低くなったときにみられやすく、気象因子との関連が指摘されています。今回は、これからの季節に備えて気管支喘息の理解と予防・対策に注目しました。

気 管 支 喘 息

<どの様な疾病か>
気管支喘息は、空気の通り道である気管支がアレルギーなどで炎症を起こし過敏になり、何かの刺激で腫れたり痰がでたりして気管支が狭くなってしまった結果、呼吸が苦しくなる慢性の病気です。
常に症状があるわけではなく、時間や体調、ストレスなどで強い発作が出たり、症状がなかったりします。何かのきっかけで急に息苦しくなり、喘鳴(「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」といった音)がでる発作をおこします。
また慢性的な咳、痰だけの人もいます。発作には自分でもわからないような
軽いものから死に至るような重症なものもあり、大きな発作を起こしたことが
ある人は注意が必要です。夜間から朝方の時間帯に悪くなる人が多いのも特徴です。

<発症のメカニズム>

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炎症状態にある気管支は健康な状態に比べて狭く、刺激に対して過敏になっています。
炎症により過敏になった気管支は様々な刺激に対して過敏に反応して、さらに狭くなります。
空気の通り道である気管支が狭くなると呼吸がしにくく、とても息苦しくなります。
それが「喘息発作」です。

予防と対策

<予防でまず行うべきこと>

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増悪因子除去のための環境整備が重要です。
特に小児に対しては高い改善効果がみられます。
日本人に最も多いアレルゲンはチリダニです。
ダニ対策の基本は、ダニの生息しやすいものや状況に対して、「洗う」、「覆う」、「拭く」、「除く」、「換気(除湿)」することです。
また、感冒、インフルエンザ、服薬、食事、喫煙、寝不足やストレスなども
症状を悪化させることがあります。これらの要因は各人で異なるので、医師などと相談し、該当する要因を把握して生活管理をしてください。
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<発作が起こったら>
発作には軽いものから重いものまでさまざまな程度があります。
また、年代(乳児~成人)によって症状の特徴が異なるため、それぞれに応じた適切な対応が必要となります。以下に1例として成人における急性発作の目安と対処法をまとめました。

小発作
症状
呼吸困難があっても横になることができ、日常生活が可能。
軽い喘鳴が聞こえる。
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対処法
まずは安静に。β2刺激薬を吸入し、改善したらそのまま家庭で様子をみる。
悪化するようなら再度β2刺激薬を吸入し、改善しない場合は救急外来を受診。

中発作
症状
呼吸困難のため、横になれない。
歩行や会話も困難。
呼吸困難のために夜中に何度か目を覚ます。
喘鳴がはっきり聞こえる。
対処法
β2刺激薬を吸入。症状に改善がみられない場合、20~30分後に再度吸入。
改善しない場合は救急外来を受診。

大発作
症状
呼吸困難のため、歩行や会話、食事、睡眠が困難となり、横にもなれない(起坐呼吸)。
時に顔色、唇の色が悪くなる。
対処法
β2刺激薬を吸入しながら、速やかに救急外来を受診。
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呼吸不全
症状
呼吸困難が高度な状態。
対処法
直ちに救急車を呼んで酸素吸入をしながら、設備の整った病院を受診。
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東洋医学からのアプローチ

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気管支喘息は、漢方的には肺気が徐々に降りずに全身を巡っていない状態です。
中医学では、呼吸は肺と腎との協同作用によるものとされています。
また、肺は腎を助けているので、肺虚は腎虚をまねきます。
このことから、気管支喘息においては肺虚と同時に腎虚も存在するのが普通で、治療においても肺と腎を同時に治療する(肺腎同治)が常法とされています。
治療には、基礎的治療(体質改善的療法)と発作を鎮める対症療法があります。
ここでは、基礎的治療の代表的な方剤のひとつである柴朴湯をご紹介します。
柴朴湯の構成生薬は10種で、柴胡、半夏、茯苓、黄ゴン、厚朴、大棗、人参、甘草、蘇葉、生姜からなります。
小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方で、前者が体質治療、後者が症候治療を担います。
薬理研究によって、作用機序として生体の恒常性を維持する神経-内分泌系-免疫系のいずれの部分にも作用することが分かってきました。
気管支喘息については、発症などに密接に関連する生体内の生理活性タンパク質の遊離を阻止することでアレルギー反応が抑えられることが確認されています。

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