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災害の経験がもたらすもの・・・ ストレス
ストレスケアの東洋医学的アプローチ
セルフメディケーション

第50号 災害の経験がもたらすもの・・・ ストレス

天に私覆(しふく)なく、地に私載(しさい)なく、日月私照(ししょう)なし。 (礼記(らいき))

平成23年3月11日に襲った東日本大震災は、自然の猛威を前にした時の人間の無力さをまざまざと見せつけました。
このような圧倒的な震災に遭遇した時だけでなく、強い余震、避難所での集団生活、不透明な先行きに対する不安など、不連続な緊張感を強いられる状況においては、心理的、身体的な不調につながるストレスにさらされます。
このような天災、事故などの突発的な出来事に限らず、ストレスは日常的に様々なかたちで存在しています。
そこで、あらためてストレスとはどのようなものなのか確認するとともに付き合う方法をみてみましょう。

※礼記とは、周から漢にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物を、戴聖が編纂したものです。
『礼記』の孔子間居(こうしかんきょ)篇にあり、孔子(前551~前479)が暇を得て室にいるとき、門人の子夏(しか)の問いに答えて、帝王君主の徳として「三無私」を説いたときの言葉です。
天に私覆(しふく)なく、地に私載(しさい)なく、日月私照(ししょう)なし・・・天は万物を覆って、特定の個人のみを覆うようなことはせず、地は万物を載せ、一人のみを載せることはしない、日月は公平に万物を照らし偏ることがない。天地日月はすべてに公平無私なことをいいます。

ストレスとは

<起源は物理学!?>
「ストレス」は、もともと物理学の概念で、物体の外側からかけられた圧力に
よって歪みが生じた状態をさしました。医学や心理学の領域では、心や体にかかる外部からの刺激をストレッサーといい、ストレッサーに適応しようとして、心や体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。
反応には、表のとおり心理的側面、身体的側面、行動的側面の3つがあります。
これらのストレス反応が長く続く場合には、過剰なストレス状態に陥っている
サインかもしれません。症状の程度が重かったり長期間続くような場合には、
専門家(精神科、心療内科)に相談することをおすすめします。
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ストレスに対する反応
心理的側面
気分の落ち込み、興味・関心の低下、イライラ、緊張、不安など

身体的側面
高血圧、胃・十二指腸潰瘍、糖尿病、首や肩のこり、体の痛み(頭痛、腰痛、胃痛など)、
動悸、息切れ、下痢・便秘、食欲不振、不眠、肥満など

行動的側面
作業効率の低下、作業場の事故、アルコール依存、喫煙、過食、拒食など

<ストレスは人生のスパイスである>
これはストレス理論を提唱した生理学者ハンス・セリエの言葉です。
ストレスといってもすべてが有害なわけではなく、適度なストレスは心を
引き締め、心地よい興奮や緊張をもたらします。しかし、度を超えてしまうと、心身が適応しきれなくなり、ダメージを受けてしまいます。ストレスと上手につきあうためには、自分のストレスに早く気づくことと対処法を身につけて実践することが大切です。

ストレスと活性酸素
過度のストレスを受けると、体内の活性酸素量が増加し、
生体内の抗酸化システムでは補足しきれない状態になります。
これらの余剰な活性酸素は、生体の構造や機能を担っている脂質、
タンパク質、遺伝子を構成するDNAに損傷を与え、老化、がん、生活習慣病などの原因になると指摘されています。

ストレスケア

<リラクセーションの方法を身につけましょう>
筋肉をゆっくり伸ばすストレッチングは、緊張をゆるめ、血行を促すので、
心身のリラックスに効果的です。場所や時間もとらない手軽に行える
リラクセーション法としておすすめです。

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簡単なストレッチング例
首:首・肩の力を抜き、首をゆっくりとまわす。
肩:肩を上げて少し止め、息を吐きながら力を抜いてストンと落とす。
上半身:両手を組んで上に伸ばしながら胸を張る。
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<東洋医学的アプローチ>
漢方では、生命活動は気血水によって維持されており、相互がバランスを
保って機能しているのが健康な状態であると考えます。
気はエネルギーのようなはたらきそのものであるとされ、体中をめぐり、
血や水がすみずみに行き渡るのをバックアップしています。ストレスへの
対処のための生体反応の亢進にはエネルギーが必要になりますが、
このエネルギーが不足した状態を「気虚」といい、身体的に全身倦怠感、
易疲労感、食欲不振などがみられます。。また、気の機能が滞った状態を「気鬱」、運行が妨げられ逆上した状態を「気逆」といいます。それぞれの気の状態にみられるタイプと使用される漢方薬の例をまとめました。

気虚
六君子湯
胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい

補中益気湯
元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすい

気鬱
加味逍遥散
のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向がある

香蘇散
神経過敏で気分がすぐれず胃腸が弱い

気逆
桂枝加竜骨牡蛎湯
疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすい

黄連解毒湯
のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向がある

一つで二役?
特徴的な香りを持つ芳香性生薬のチョウジ、ケイヒ、ガジュツなどに、
抗酸化性や抗酸化ストレス作用が強いことがみとめられています。
香りにはストレス軽減効果があることが知られているので、これら生薬の
香気成分も薬理効果だけでなく心理的な側面での軽減効果に一役買っているかもしれません。

<セルフメディケーションへの関心の高まり>
食生活からストレスに負けない体をつくろうという取り組みがなされてきました。
これまで伝統的に使われてきたり、最近注目されている食品素材をご紹介します。
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セントジョンズワート
うつの初期や軽度のうつ状態、不安症に対して有効性が期待されます。

バレリアン
一般に「精神的ストレスを緩和する」、「寝つきが悪い方によい」と
いわれています。

GABA
小脳、脊髄、大脳などに存在する抑制性神経伝達物質と考えられているアミノ酸。

テアニン
緑茶に含まれるうま味成分の一つで、精神安定作用が期待されます。

バコパモニエラ
インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)で利用されてきたハーブです。

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