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生薬

牛黄(ごおう)

おもな薬能
強心、鎮静、鎮痙、解熱、解毒

画像の説明



「神農本草経」の上品に収載される生薬。

ウシの胆のうの中に生じた結石を乾燥したもので、1000頭に1頭ほどの割合でしか見つからないため、希少価値が高い生薬です。

外観は1~4cmぐらいの球形に近い塊で、表面は黄褐色~赤褐色をしています。オーストラリア、南米が主な産地です。

別名

犀(さい)黄(おう)、西黄(せいおう)、胆(たん)黄(おう)、丑(ご)宝(おう)

薬味 薬性 帰経

薬味:苦・甘  薬性:凉  帰経:肝・心

性状

ウシ科黄牛の胆のう中に生じた結石を乾燥したもので、『神農本草経』の上品に収載されている。一般には、黄牛と水牛の胆石を用い、直径1~4cmの球形または塊状をしている。外面は黄褐色~赤褐色で長時間空気に触れると酸化されて次第に黒褐色になる。質はもろくて砕けやすく、破砕面には黄褐色~赤褐色の輪層紋がみられる。やや生臭いにおいの清気があり、味は微かな苦味の中に甘みがある物が佳品。噛むと咀嚼感が滑らかで粘らず、完全に溶けるものが上品とされる。

成 分

胆汁色素としてビルリビン、ビリベルジンなど。胆汁酸としてコール酸・ケノデオキシコール酸・リトコール酸・コレステロール・レシチン・脂肪酸・アミノ酸・ペプチド・ビタミンD・カリウム・ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅・マンガンなどの無機元素を含有する。

薬理作用

  • 中枢神経に対する作用
    1. 鎮静催眠作用
    2. 抗痙攣作用
    3. 解熱作用 
    4. 鎮痛作用
    5. 脳発育促進作用
  • 心血管に対する作用
    1. 強心作用(主として心収縮増強作用)
    2. 降血圧作用
    3. 抗不整脈作用
    4. 抗心筋損傷作用(心筋障害時に心筋内に流入するCa2+の拮抗作用)
  • 血流および造血系に対する作用
    1. 白血球に対して影響がない。
    2. 赤血球産生促進作用 
    3. 血球新生と破壊の二相生作用があり一般常用量で破壊作用はないとされる。
    4. 抗凝結酵素作用(血小板凝集抑制作用は弱い):セロトニン拮抗作用
  • 抗炎症、抗アレルギー作用
  • 鎮咳、去痰作用''''
  • 抗病原微生物作用(抗菌、抗ウイルス)
  • 消化器系に対する作用
    1. 肝庇護作用、利胆作用
    2. 腸の蠕動促進と緩下作用 
    3. 脂肪、リン脂質及び脂溶性ビタミンの消化吸収促進作用
  • 抗悪性腫瘍作用
  • 解毒作用
  • 抗放射性白血球減少作用

古典での薬理薬能

清熱解毒作用に特に優れ、咽頭炎、皮膚化膿症(癰疸(ようたん))の重要薬

清熱解毒:強力に熱毒を冷まし散らす。以下の熱毒鬱血証に使用される。

咽頭の発赤腫脹疼痛・口内炎・口内潰瘍など。珠(じゅ)黄散(おうさん)(粉末散布)
皮膚化膿症に使用される。牛黄解毒丸
乳がん・肺癰(はいよう)・腸癰(ちょうよう)・瘰癧(るいれき)・痰核(たんかく)に使用。犀黄丸



*清心豁(かっ)痰(たん)・開竅(かいきょう)

心包の熱邪を冷まし(清心)、痰を除くこと(化痰)で、心神の安定を図る。(開竅醒神)

温熱邪が心包に取りついた(熱陥心包)ための意識障害・高熱・痙攣・煩躁譫(はんそうせん)語(ご)などに使用される。安宮(あんぐう)牛(ご)黄丸(おうがん)
痰熱邪が心を閉塞したための意識障害・痙攣・癇癪(かんしゃく)・中風の筋硬直・小児の熱性痙攣などに使用される。牛黄散

適応病証

  1. 急性感染症で高熱・躁状態・意識障害・痙攣などを呈する病態
  2. 慢性咽喉頭炎・耳下腺炎・口内炎・癤癰(せつよう)など炎症性感染症疾患

注意 禁忌

  • 正品には毒性が少なく、副作用はほとんどみられない。
  • 原則として妊婦は禁忌。胃腸虚弱の方には慎重に用いること。
  • 実熱証でない場合は禁忌。

豆 知 識

  • 麝香・牛黄は共に開竅の要薬だが、牛黄は凉性で清心豁(かっ)痰(たん)に優れ、麝香は温性で通経散結に優れている。また、両薬は癰瘍(ようよう)に対する良薬だが、牛黄は防腐解毒で潰破(かいは)腐爛(ふらん)に、麝香は活血消腫に長じ初期の末潰に適する。瘀(お)血(けつ)凝滞(ぎょうたい)には、麝香を用い牛黄は使用しない。中風痰迷痙厥(ちゅうぶうたんめいけいけつ)・熱病神昏抽搐(ちゅうちく)にも両者を併用するが、開竅醒(かいきょうせい)神(しん)には麝香が、豁痰定驚(かったんていきょう)には牛黄が適する。
  • 胆石(牛黄)がある牛は、1,000頭に1頭といわれ麝香についで高価。血液に籠っている悪い熱を外に放出する働き(清熱)に優れる。さらに、血中に熱邪が籠もり、血流が滞って起こる諸症状にも高い効果を表す。
  • 炭酸水素ナトリウム(重曹)を含む胃薬と広域抗菌スペクトルを持ち消炎・鎮痛の作用のある牛黄・青(せい)黛(たい)・竜脳と、創面の癒合などの作用のある真珠などを含む漢方薬の併用は、協調作用により潰瘍性大腸炎による粘膜充血の改善・浮腫の軽減・糜爛(びらん)面の縮小などに有効。

牛黄を含有する製品

牛黄清心元
マイフーロンゴールド錠
蘇源
オキソピンZ
野中鳥犀圓
キングホルンZ