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生薬

白朮(ビャクジュツ )

おもな薬能
健胃・利尿・鎮静作用


画像の説明

キク科のオオバナオケラの根茎を乾燥または蒸乾したものです。

別名

朮、野於朮、冬朮、蒼朮

薬味 薬性 帰経

薬味:甘・苦 薬性:温 帰経:脾・胃

性 状

キク科ビャクジュツ、オオバナオケラの根茎。このほか日本薬局方ではオケラA.japonica KOISDZ.の周皮を除いた根茎を規定しており、日本では乾燥または蒸乾したものが一般に流通している。『神農本草経』の上品に「朮」の名で収載されており、現在は「蒼朮」と「白朮」に区別している。

成 分

 精油約1.5~3.0%を含む。アトラクチロン、3-β-アセトキシアトラクチロン、
3-βアトラクチレノリドⅠ・Ⅱ・Ⅲ、ビタミン Aなどを含む。

薬理作用

  • 消化器系に対する作用
    1. 肝の庇護作用
    2. 利胆作用
    3. 消化管蠕動調節作用
  • 利尿作用、Naの排泄促進作用
  • 免疫系に対する作用
    1. 網内系細胞の貪食能増強作用
    2. 白血球増殖作用
    3. 細胞性免疫能増強作用
  • 抗腫瘍作用
  • 降血糖作用
  • 抗凝血作用 
  • 心血管系に対する作用
    1. 血管拡張作用
    2. 心臓抑制作用
  • 抗O2欠乏作用
  • 少量では鎮静作用、抗痙攣作用は弱い

古典での薬理薬能

良好な補気健脾の重要薬。白朮・山薬・白扁(びゃくへん)豆(ず)の三薬中
最も燥湿健脾作用に優れる

補気健脾
脾胃の気をよく補いその機能を高め、よく補気しまたよく燥湿する。
補気健脾の基本的かつ重要薬で、一般的な脾虚証に多用される。

  1. 脾虚証の食欲不振・もたれ・胃部脹満感・下痢・倦怠感・顔色不良に使用。
    1. 脾虚証    (処)四君子湯・補中益気湯
    2. 慢性の下痢  (処)啓脾湯・参苓白朮散
    3. 脾陽虚証で、腹部冷痛・下痢   (処)人参湯
    4. 脾虚食積証のもたれ・心下痞塞脹満感(痛)・食欲不振  (処)枳朮丸
  1. 脾気虚による便秘(虚秘)に使用。単味の多量服用も可 (配)麻子仁・生地黄

健脾・燥湿利水
燥性があり、健脾作用により体内停滞の湿・痰飲を除く。

  1. 浮腫やめまい・動悸・身体の重だるさ・白色透明痰などの痰飲症に使用。
    1. 一般的痰飲証  (処)五苓散・四逆散
    2. 痰飲のめまい・動悸など  (処)苓桂朮甘湯
    3. 脾腎陽虚による下肢浮腫・重だるさ・下痢・めまいなど  (処)苓桂朮甘湯・真武湯
    4. 脾虚生痰によるめまい・頭痛など  (処)半夏白朮天麻湯
  1. 脾虚証に合併した白色や透明帯下・混濁尿・頻尿など (処)完帯湯
    1. 祛風湿薬を配合し、寒湿痺証にも使用  (処)防已黄耆湯

補気止汗
補気健脾作用により固表止汗する。気虚の自汗や陰虚の盗汗などに使用される。単味を服用しても良い。  (処)玉(ぎょく)屏風散(へいふうさん)

補気安胎
補気することで流産を防止。脾虚証や気虚証などの胎動不安に使用。

  1. 脾腎両虚証  (配)杜仲・桑寄生・阿膠
  2. 気虚有熱   (処)安胎丸

適応病証

関節炎・神経痛・小便困難・下痢・腹水・胸水・妊婦のむくみ・疲労倦怠感

注意 禁忌

燥湿傷陰作用があり陰傷しやすい。そのため、陰虚内熱証や陰虚には使用しない。

豆 知 識

◎生白朮 は燥湿利水、炒白朮 は補気健脾、炒焦白朮は健脾止瀉に優れる。

白朮燥湿健脾の効能を持つ。補気・止汗・安胎。脾虚に働く。
蒼朮燥湿の効能が強く、散邪発汗に働く。湿盛の実証に。

◎腹水では、多量の白朮を用いると有効といわれている。

白朮を含有する製品

牛黄清心元