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知っていますか?大人のはしか(麻疹)がふえているのを。
症状と経過
予防と対策

知っていますか?大人のはしか(麻疹)がふえているのを。

「恋は○○○のようなもの」とは言うけれど・・・

麻疹(はしか)は古くから伝染する病気として知られていました。
従来は小児に多い感染症でしたが、近年は20代以上の感染も少なくなく、
大人にとっても注意が必要であると認識されてきました。2007年には10代、
20代を中心に「成人麻疹」が全国的に流行しました。高校、大学は相次いで
休校となり、ワクチンや抗体測定試薬の不足など社会問題となりました。
これを受けて国内では2012年度までの麻疹の排除を目指した「麻しんに関する
特定感染症予防指針」が告示されました。また、世界保健機関(WHO)は2012年を日本を含む西太平洋地域での麻疹排除計画の目標年と設定しています。

麻疹(はしか)

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<特徴>
麻疹はウイルスの感染が原因となって起こる病気で、春~初夏(4月~6月)に
かけて本格的な流行が見られます。麻疹ウイルスは極めて感染力が強く、
空気感染、飛沫感染、接触感染によって感染し、免疫を持っていない人が
感染すると90%以上が発症します。さらに、麻疹の免疫がない集団に1人の
発症者がいたとすると12~14人が感染するとされています(インフルエンザでは
1~2人)。また、麻疹に伴って様々な合併症がみられ、全体では30%にも達するとされています。特に肺炎と脳炎は麻疹の二大死因となっています。

<症状と経過>

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潜伏期間は10日から12日間で、発病すると38℃前後の熱が3日から5日間続き、
咳、鼻水、咽の痛みといった風邪に似た状態から始まり、目やに、目の充血、
明るい光に過敏になると言った症状があらわれてきます。
この時期をカタル期と言い、最も強い感染力を示します。
いったん熱が下がり、その頃に口の中に小さな白い斑点(コプリック斑)が
できます。
再び39℃から40℃の高熱が出るのと同時にややかゆみを伴った発疹が
あらわれます。
平らで不規則な形の赤い部分としてあらわれますが、すぐに盛り上がり、
さらに融合し網目状になります。発疹は耳の後部から頚部、顔、体幹、上肢から
下肢へと広がります。
3日~4日間で熱はおさまり発疹は褐色を帯び(色素沈着)、1~2週間で
消えていきます。治った後も約1ヵ月間は免疫力が低下しますので、
種々の感染症にかかると重症化しやすく、警戒が必要です。

<コーヒーと麻疹>

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1824年、ハワイ王国のカメハメハ2世とその王妃カママルはロンドン訪問中に
麻疹にかかり、そこで亡くなりました。
オアフ島知事のボキは2人の遺体を乗せて英艦ブロンド号でハワイに帰る途中、ブラジルのリオデジャネイロに寄港しました。
その際、ボギと英国農学者のジョン・ウィルキンソンがコーヒーの木をホノルルに持ち帰り、オアフ島のマノア渓谷に植えたのがハワイのコーヒーのはじめであると言われています。
その後、ハワイ島のコナに持ち込まれ、紆余曲折を経て、現在の「コナ・コーヒー」の地位が確立されました。

予防と対策

<かかりやすい人はどんな人?>
成人になるまでに麻疹にかかったことがない人や、小児の時に予防接種を
受けたと言う人でも、大人になって感染すると言う例が増えています。
麻疹にかかったことがなく、かつ麻疹のワクチンを一度も接種したことの
ない人は、最もかかりやすい状態です。また、ワクチンを一度接種していても、
接種後の年数が経過して免疫が低下している場合は、麻疹にかかる可能性が
あります。
特に妊娠初期に麻疹にかかると奇形児(心臓など)が出来やすくなるとのことなので注意が必要です。
妊娠がわかった後での妊婦の麻疹の予防注射は打てないので家族(特に夫)のワクチン接種もひとつの予防方法として考えてもいいのでは。

<かからないために>

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麻疹ウイルスの直径は100~250nmであり、飛沫核の状態で空中を浮遊します。
それを吸い込むことで感染しますので、マスクでの予防は困難です。
ワクチン接種を受け、麻疹に対する免疫をあらかじめ獲得しておくのが最善の方法です。ワクチンによる免疫獲得率は95%以上と報告されており、有効性は明らかになっています。

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<かかってしまったら>

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麻疹ウイルスに直接有効な薬は現在のところなく、つらい症状を楽にする対症療法が行われます。
合併症があればそれに応じた治療が行われます。
療養中は、安静にして、睡眠と栄養と水分を充分補給することが大切です。

東洋医学にできること

麻疹は一般に温病としての経過を経ることが多いとされています。
温病とは、四季によりそれぞれの邪気を受けて引き起こされる多種の急性熱性病の総称です。これらに共通してみられるのは、急性発病の初期の熱象はきびしく、口の渇きを訴え、容易に陰液を損傷する点です。
麻疹に対して使用される方剤に升麻葛根湯があります。
痘疹がまだ出ず、また発疹が充分に透発していないとき身熱が強く頭痛のある場合に用いて、充分に発疹を出させて、麻疹の内攻を防ぐための処方です。

升麻葛根湯
効能・効果:頭痛、発熱、悪寒し、身体煩疼し、麻疹、水痘など出るか出ないか疑わしいもの、あるいは出にくいもの。 感冒、麻疹、水痘、鼻血、眼充血、扁桃腺炎、皮膚病。

<江戸時代の食養生>

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江戸時代、麻疹はたびたび流行し、14,210人の死者が出たこともありました。
流行時、庶民に麻疹の情報を伝えるために「麻疹絵」という多色刷り版画が作成・出版されました(右図)。それらの内容には、麻疹の予防や治療に関する食物の記述が多くみられます。その中で、予防や治療によい、またはよくないとされているものの上位をご紹介します。
言葉と文化2011;12:101-118

よい食物
かんぴょう
人参
小豆
昆布
長芋

よくない食物
そば
糖味噌
梅干
里芋
椎茸

 

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