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生薬

芍薬(シャクヤク)

おもな薬能
鎮痛、生理不順、疲労回復、緊張緩和


画像の説明

ボタン科のシャクヤクの根を乾燥したものでコルク皮を除去して、乾燥、または蒸乾したものが「白芍」です。

別名

白芍(びゃくしゃく)、赤芍(せきしゃく)

薬味 薬性 帰経

薬味:苦・酸 薬性:微寒 帰経:肝・脾

性 状

ボタン科シャクヤクの根を乾燥または蒸乾したもの。一般にコルク皮を除去して乾燥したものを「白芍」、皮付きのものを「赤芍」という。『神農本草経』の中品に収載されているが、赤白の区別はされていない。宋の「図経本草」で初めて金芍薬(白芍)と木芍薬(赤芍)が分けられた。陳無己は、「白は補にして赤は瀉、白は収にして赤は散」としている。

収穫後水洗し周皮を除き乾燥するか、砂又は小砂利と混和しコルク層を削り去る。類円形を呈し真っ直ぐ或いはやや湾曲する。表面は類白色~淡紅褐色で、太くて内部が充実し、やや柔軟性を帯びている。内部が微赤色~白色を呈し、収れん性とやや苦味があり、芍薬特有のにおいが強いものが良品とされる。長さ8㎝以上、中央部の直径が1.7㎝以上のものがよい。その他、長さ・太さ・質などにより等級が分かれる。水洗い後日干しにする(赤芍)か、コルク層を除いて乾燥したもの(白芍)及び白芍を湯通しして乾燥したもの(真芍)がある。

成 分

ペオニフロリンやペオニフロリゲノン、ペオニラクトンなどのモノテルペン、テルペン配糖体、そのほか安息香酸、タンニン、精油、脂肪油、スクロース、粘液質、でんぷん、タンパク質、樹脂などを含む。

薬理作用

  • 平滑筋の痙攣緩解作用、鎮静、鎮痛・鎮痙作用、筋弛緩作用
  • 細網内皮系、特に食細胞の貪食脳増強作用、免疫応答の調整作用
  • 末梢血管拡張作用により血圧を降下させる
  • 抗血小板凝集作用:TAX2の生成抑制
  • 抗炎症作用・抗菌作用 
  • 胃液分泌抑制作用・肝臓の庇護作用
  • 解熱作用

<白芍>苦、酸、微寒、肝・脾
 一般に、抗痙攣、鎮静、鎮痛、降圧、抗菌、抗炎症、胃液分泌抑制による抗潰瘍、解熱などの薬能がある。これらは、ペオニフロリンの作用といわれている。

<赤芍>苦、微寒、肝
 一般に活血化瘀、冠状動脈拡張作用、血小板のcAMPを上昇させ血液の凝固および線維溶解酵素系の調節作用、抗血小板凝集作用。さらに解熱、抗炎症、抗菌、抗ウイルス、抗悪性腫瘍、鎮静、鎮痛、抗痙攣などの効能がある。

古典での薬理薬能

寒性の補血滋陰薬。滋陰とともによく柔肝平肝し汗を止める

養陰柔肝平肝
よく肝血肝陰を補う。微寒性であり、血虚内熱に適する。

  1. 肝血虚のめまい・動悸・顔色不良・不眠・羸痩(*)・月経後期・過少月経・閉経・
    月経不順・産後腹痛・崩漏(*)などに使用。   (処)四物湯
  2. 肝陰を補い、上昇した肝陽を抑える(平肝)。肝血虚・肝陰虚の肝陽上亢による
    頭痛・めまい・痙攣・顔面紅潮や熱感・眼瞼眼球結膜充血・焦燥感などに使用。 (配)生地黄・牛膝・牡丹皮など

柔肝緩急止痛
肝の陰血を補うこと(柔肝)で気を緩め、気滞を改善して止痛する。
また、止痢作用もある。肝血虚や肝陰不足に伴う肝気鬱血証の
季肋部脹満痛(感)・腹痛・月経前乳房脹満痛(感)・筋肉痙攣や
疼痛・腹痛下痢などに使用。

  1. 陰虚の季肋部痛胃痛  (処)一貫煎 
  2. 腹痛・筋肉痙攣疼痛  (処)芍薬甘草湯
  3. 肝脾不調の腹痛下痢  (処)痛瀉要方

斂陰収斂止汗
陰液を保持し汗の漏れを防ぐ。表虚証の盗汗・自汗に使用

  1. 風寒表証の悪風・自汗 (処)桂枝湯
  2. 陰虚内熱の盗自汗 (配)牡蛎・竜骨・浮(ふ)小(しょう)麦(ばく)など。
  1. 適応病証
    白芍
  1. 脳陽亢進を抑制する:苦味は鎮静、酸味は収斂の作用があり、
    脳陽亢奮証でみられる高血圧症、脳卒中などの病態に用いられている。
    (配)建瓴(けんが)湯(とう)
  2. 月経困難症でみられる月経の失調、無月経、月経痛、めまい、貧血などの病態
    (配)四物湯・当帰芍薬散
  3. 平滑筋による痙攣疼痛に用いられる。
    (配)芍薬甘草湯・黄芩湯

赤芍

  1. 吐血・鼻出血・出血斑など全身性の熱感性および出血性病態に対する清熱止血作用として用いられる。
    (配)犀角地黄湯
  2. 活血化瘀、血管拡張作用として冠状動脈硬化性疾患、その他の瘀血疾患に用いられる。
    (配)冠心2号方

伝統的に藜(り)芦(ろ)(劇毒)とは相反。陽虚証には慎重に使用する。

豆 知 識

  • 古くは、白い花をつける芍薬を「白芍」、赤い花をつける芍薬を「赤芍」と称したこともあったが、現在はコルク皮の有無で区別されている。
  • 白芍・当帰は補血の効能を持ち、またいずれも止痛に働くが、
    白芍は微寒で血虚有熱に適し、補血斂陰・平肝止痛する。
    当帰は温性で血虚有寒に適し、補血活血・行気止痛する。
  • 清心元には、白芍が配合されている。

芍薬を含有する製品

牛黄清心元