日本製薬商事オフィシャルサイト

ちょっと役に立つはなし

画像の説明

“震え” でお悩みの方へ -本態性振戦(ほんたいせいしんせん)-
病気が原因で起こる震え
パーキンソン病?

“震え” でお悩みの方へ -本態性振戦(ほんたいせいしんせん)-

「字を書く時に手が震える」「人前で話す時に声が震える」などお悩みでは
ありませんか?「震え」は誰にでも起こる生理現象の一つです。
緊張した時、恐怖にさらされた時、また、寒い時や、重いものを長時間持った時
なども震える事があります。「振戦(しんせん)」とは震えをさす医学用語で、
意思とは無関係に体の一部、または全身の筋肉(骨格筋)が、規則的あるいは
律動的に、収縮するために起こる体の動き(不随意運動)の事です。

病気が原因で起こる震え

震えが病気の症状として現れる場合もあります。
これを「病的振戦」といい、アルコール依存症や甲状腺機能亢進症などで
症状の一つとして震えが現れる事があります。
また、震えがきっかけで「パーキンソン病」「本態性振戦」等の病気が
見つかる場合もあります。
病的振戦はじっとしている時に震える「静止時(安静時)振戦」、
特定の姿勢を保とうとした時に震える「姿勢時振戦」、何らかの動作をする時に
震える「運動時振戦」の3つに大きく分類されます。

本態性振戦とは?

明らかな原因がなく、震えだけが現れる病気を「本態性振戦」といい、
原因が特定できないようです。
多くは、40歳以降に発症し、いつとなく震えが現れ、加齢とともに
少しずつ目立ってくるケースがほとんどです。
本態性振戦は主に手に現れ、動作時や姿勢を保とうとしたときに起こるのが
特徴です。「字を書く時」「箸を使う時」「コップを持つ時」等に起こりやすく、緊張すると震えが増強する傾向が見られます。
安静時や睡眠中に震えが起こることは、まずありません。
手先の場合速く細かく震え、頭が左右に小刻みに震えたり、声が震える事も
あります。なお、パーキンソン病でも最初の自覚症状として震えが現れることが
あり、震えだけではパーキンソン病と本態性振戦のどちらなのかを区別するのは
難しい場合もあります。

本態性振戦とパーキンソン病の震えの特徴

本態性振戦
震えの現れる部位  主に手。左右両側に現れる。頭や声が震える事も。
震えの現れ方    特定の姿勢や動作をした時に現れる。安静時には軽減、消失。
震え方       手先の場合、速く細かく震え、振動数は1秒間に8~12回。
震え以外の症状   なし

パーキンソン病
震えの現れる部位  主に手や足。片側から現れ、進行するにつれて反対側にも現れる。
震えの現れ方    無意識時、安静時に現れる。動作時には消失し、姿勢を維持すると再び現れる。
震え方       比較的ゆっくりで大きな震え。振動数は1秒間に4~5回。
震え以外の症状   動作がゆっくりになる。筋肉がこわばる、歩きにくい、転びやすい等。

■本態性振戦によく見られる症状

画像の説明

・字をかく時に手が震え、字が大きく乱れる。   
・手の震えで箸が上手く使えず、食事がしにくい
・コップを持つ手が震えて、うまく飲めない。    
・人と話している時に頭が左右に細かく震える。
・人前でスピーチをするときに声が震える。 

※本態性振戦は、細かい動作をする時や、緊張する場面などで現れる事が多い。
また、震えないようにしようと意識するほど震えが強くなりやすい。

あなたの震えの原因ー本態性振戦 or パーキンソン病?

画像の説明

震えの原因を見分ける方法の一つ、次のような動作テストをご紹介します。
片方の手できらきら星の振り(手のひらを左右に回転)し、反対側の人差し指で
膝をトントンとたたきます。
左右の動作を入れ替えて、同様に行い、どちらも問題なく出来た場合は
本態性振戦の可能性があり、どちらかでも上手く出来ない場合は、パーキンソン病が疑われます。
    

本態性振戦の治療

本態性振戦は原因不明なので根本的に治療する西洋薬はなく、薬で震えを抑えたり、軽減させる対症療法が行われています。主に使われるのは「β遮断薬」で「プロプラノロール」や「アロマチノロール」などが治療薬として使われています。(β遮断薬の脳の指令を受け取る受容体を遮断する作用や、細胞膜の興奮を抑える膜安定化作用等が震えを抑えると考えられている)
β遮断薬には、心臓の機能を抑制したり、気管を狭くしたりする作用があるため、低血圧、徐脈など心臓の疾患のある人、喘息、高齢者には基本的に使われません。
この他、てんかんに使われる「プリミドン」、抗不安薬、パーキンソンに使われる抗コリン薬も使われますが副作用などがあるため注意が必要です。

東洋医学的アプローチ

東洋医学の概念 五臓六賦では「肝は筋を主り」とあり、振戦は肝の病ととらえます。
漢方的な観点から手足の震えの原因の一つに「血虚」があります。
「血」は「肝」に蓄えられているのですが、その「肝血」が不足すると
肝火上炎や肝陽上亢の熱となり、さらに体内に風を発生させる(内風)、これを
肝風内動と呼び、漢方では主に平肝熄風薬が使われます。
肝風内動の主な症状:痙攣(ケイレン)・めまい・中風の意識障害や半身マヒ・顔面神経マヒなどがあります。

良く使われている処方
抑肝散       平肝熄風剤で、緊張などによる肝気の高ぶりを軽減します。 
抑肝散加陳皮半夏  抑肝散に陳皮と半夏が加わり胃内の停水を去らせ、
          肝の熱を冷まします。
四逆散       肝気鬱結・肝脾不和の病機に適応。
          四逆とは四肢の厥冷(ケツレイ)-手足が冷たくなること

牛黄清心元に含まれる生薬では・・・

画像の説明

羚羊角  ウシ科サイガカモシカの角。平肝熄風薬。

画像の説明

◆鎮静、催眠作用◆抗痙攣作用 ◆解熱作用◆降血圧作用◆その他子宮平滑筋に対し、
興奮作用、腸平滑筋に対して抑制作用を示す。
その他に牛黄、麝香、竜脳、川芎、当帰、芍薬に鎮痙作用が有ります。
牛黄清心元は特に高血圧に伴うしびれ、震えに顕著な作用を示します。

日常生活で気をつけること

画像の説明

カフェインやニコチンには、震えを増強させる作用があるので、コーヒーや
紅茶などはなるべく控え、禁煙を心がけて下さい。アルコールには一時的に
震えを軽くする作用がありますが、酔いがさめると再発するので、
お勧めできません。

画像の説明

また、服用している薬の影響で震えが現れる事もあります。喘息に使われる
「エフェドリン」「テオフェリン」、アルツハイマー等に使われる
「コリンエステラーゼ阻害薬」、うつ病に使われる「三環系抗うつ薬」などに
現れるようです。
その他震えは、不安、疲労、睡眠不足などで増強されます。
常日頃からリラックスを心がけ、十分な睡眠をお取り下さい。
また、気にしすぎない事も大切で、「これくらいはたいした事ではない」というくらいのおおらかな気持ちを持っているくらいの方が、震えも現れにくくなります。
要は前向きな気持ちで震えと上手につきあう事が必要です。

↑ページのトップへ