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「ハンマーでなぐられたような痛み」
くも膜下出血

第41号 くも膜下出血

『ハンマーで殴られたような痛み』とよく表現されるくも膜下出血で、
国内で年間約15,000人もの人が命を落としています。その原因の8割以上は
脳動脈瘤というコブが破裂することによる出血です。初回破裂では約4割の人が亡くなり、約3割の人には半身不随や言語障害などの後遺症が残り、
元どおりに治る人は3割程度といわれています。
再発率が高い上、再発時には初回破裂時よりも重症化しやすく約7割の人が亡くなっています。成人の3~4%の人がこの脳動脈瘤を持っていると推測されています。
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脳動脈瘤
くも膜下出血の原因である脳動脈瘤は破裂するまでほとんど症状がなく、
なぜできるのかも詳しくわかっていません。くも膜下出血の家族歴がある
人は保有率が高くなるので脳ドックで確認してみましょう。

家族歴がある成人では10%~15%の人が脳動脈瘤を持っていると言われています。

治療
脳動脈瘤が見つかったら、血圧を下げる、たばこを避ける、飲酒を避けるなどにより破裂のリスクを減らします。手術が必要かどうかはケースバイケースですが、必要な場合には主に脳動脈瘤コイル塞栓術か開頭クリッピング術のどちらかが行われます。

2種類の手術
コイル塞栓術はカテーテルを動脈瘤手前まで通し、そこからコイルを動脈瘤内に留置する手術です。
頭部を開く必要がないので体への負担が小さくすみます。
クリッピング術は頭蓋骨を開き、動脈瘤の根元をクリップでとめて動脈瘤内への血液の流入を防ぐ手術です。頭部を開くため、体への負担が大きくなります。
くも膜下出血時にも止血のため、あるいは再発防止のためこれらの手術が
行われますが、昏睡状態や全身状態が悪い場合には行えません。

脳動脈瘤コイル塞栓術
術式
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根本にくびれがある
不適
根本にくびれがない

開頭クリッピング術
術式
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動脈瘤が小さい
脳の表面付近にある
不適
動脈瘤が大きい
脳の深い位置にある
数珠状の動脈瘤

運動により分泌される“血管しなやか物質”一酸化窒素&プロスタサイクリン
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運動により血流が上がると血管内皮細胞が刺激され、血管をしなやかにする物質である一酸化窒素やプロスタサイクリンが放出されます。
運動をせずこれらの分泌が低下した状態が続くと、血管の柔軟性が失われ、
内皮細胞が傷つく、コレステロールが沈着するなどによって動脈硬化が進んでしまいます。
1日20分以上の有酸素運動でしなやか物質を分泌させて、血管をしなやかに保ちましょう。

一酸化窒素
・中膜の緊張を和らげ、弾力を保つ
・血小板が集まって血液が固まるのを防ぐ
・脂肪細胞から脂肪分を放出させる

プロスタサイクリン
・血管を拡張させ、血流をよくする
・血小板が集まって血液が固まるのを防ぐ

似て非なる『脳内出血』

どちらも脳出血のひとつであるくも膜下出血と脳内出血は混同されがちですが、もちろんこれらは別の病気です。くも膜下出血は図のように脳実質外の出血ですが、脳内出血は脳実質内で起こる出血です。くも膜下出血では頭蓋内の圧力があがることで非常に激しい頭痛が現れますが、脳内出血では脳細胞が障害されることで麻痺や感覚障害が現れます。

脳出血

くも膜下出血
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脳表面の血管(9割は脳動脈瘤)から出血したもの
特徴的な症状
激しい頭痛
激しい嘔吐

脳内出血
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脳の深部に行く血管(穿通枝)から出血したもの
特徴的な症状
歩きにくい
手足のしびれ
めまい

ヒトは血管とともに老いる(ウィリアム・オスラー 1849-1919)

くも膜下出血や脳内出血のような脳出血のリスクを減らすには、
動脈硬化の予防が重要です。動脈硬化が進むと血圧があがったり血管が
もろくなったりして出血を起こしやすくなります。過度の飲酒やたばこでも
脳出血のリスクが大幅に高まります。日本人1万2千人超を対象にした大規模
コホート研究(追跡調査)では、お酒を多量に飲む人のくも膜下出血の発症率は4倍に、お酒を多量に飲み、たばこを吸い、血圧が高い男性では実に13倍にもなるという結果がでています。

はじめよう 浄血、循血、造血運動で血管掃除
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浄血
浄血とは、抗凝血、過酸化脂質産生抑制、活性酸素除去、血糖降下、
抗コレステロールなどの作用を持つ成分を体内に取り入れ、ドロドロ血液を
サラサラにして動脈硬化を抑えることです。
循血
循血とは、血流改善、抗不整脈、強心、心保護などの作用を持つ成分を体内に
取り入れ、血圧や全身の血行を改善することです。

造血
造血とは、血液成分材料、造血機能促進作用のある成分を体内に取り入れ、
全身の栄養状態を改善させることです。

動脈硬化が進んだ血管は元には戻りません。
今日の医学の基礎を築いたウィリアム・オスラーはこのことを、
『ヒトは血管とともに老いる』という言葉で表しています。
逆に、血管を若く保てばヒトは若々しさを保てるとも言えるのではないでしょうか。
毎日血管を掃除して美しくしなやかな血管を保ちましょう。

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