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原因不明?!
“過敏性腸症候群”
下痢型・便秘型・混合型

第40号 ストレス社会により急増する“過敏性腸症候群”

過敏性腸症候群(IBS=Irritable Bowel Syndrome)とは、腸内に潰瘍や
腫瘍などの器質的異常がないにもかかわらず、下痢、便秘、腹痛などの症状が
繰り返し起こる疾患です。その患者数は若年層を中心に年々増加傾向にあり
約1200万人と推定されています。
過敏性腸症候群は季節の変わり目や、日常においては「通勤・通学の車内」や
「会議・授業中」など強い緊張やストレスを感じる場面で症状が出やすいとされています。また、多くの方が市販薬などにより症状をコントロールしているため、薬局・薬店などで対応する機会も増えていると思われます。

【過敏性腸症候群にかかりやすい人】
20代の女性
働き盛りの人
まじめで几帳面な人
うつ傾向の人
内向的で気が弱い人
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【過敏性腸症候群の3つのタイプ】
下痢型
激しい腹痛の後、粘液性の便がでる
便通があると腹痛は治まる

便秘型
便秘が長く続き、コロコロした便がでる

混合型
数日間下痢が続き、その後便秘となる

◆上記以外にも、腹部膨満感、吐き気、頭痛、月経痛などを伴う場合があります

“過敏性腸症候群”の原因と診断

現在のところはっきりとした原因は分かっていませんが、一般的にはストレス、精神的な不安、不規則な生活などが原因と考えられています。
過敏性腸症候群の診断は、血液検査や大腸内視鏡検査、便潜血検査、
腹部X線検査などで異常がなく、その上で症状がローマⅢ基準(国際的診断基準)を満たすと定義されています。

西洋医学的な考え
ストレス等で自律神経が乱れて消化管運動の異常や消化管知覚過敏となった状態。心理的な異常(うつ状態、不安神経症、ヒステリーなど)を伴うこともある。

東洋医学的な考え
気の巡りが悪くなり五臓六腑で言う“肝”や“脾”の機能が乱れた状態。
(肝気鬱結、脾気虚 等)

過敏性腸症候群のローマⅢ診断基準
◆腹痛又は腹部不快感が、最近3ヶ月のうち1ヶ月で3日以上あり、下記の2項目以上を伴う

(1)排便によって腹痛などが軽減する
(2)排便頻度が変化する(何度もトイレに行く 等)
(3)便の形状が変化する(軟便、コロコロした便 等) 

過敏性腸症候群以外の疑いがあるケース
◆血便、体重減少、発熱を伴う、
寝ているときも腹痛などが起こる
⇒ 潰瘍性大腸炎、大腸ガン、感染症などの疑い

◆飲食物が引き金になる
⇒ 乳糖不耐症や食物アレルギーの疑い

“過敏性腸症候群”の生活・食事対策

◎ 日常生活での対策
◆電車やバスに乗る前、会議や授業の前にトイレにいっておく
◆適度な運動や趣味を楽しむことで心身ともに溜まったストレスを発散させる
◆睡眠不足にならないように早寝早起きを心がけ、お腹の冷えを防ぐため腹巻きなどを利用する
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◎ 食事での対策
◆冷たい飲み物、脂肪分の多い食事、アルコール、香辛料を摂りすぎない
◆消化の良い野菜(大根、かぼちゃ、芋類の煮物など)や胃腸を温める食材(生姜など)を利用する
◆食物繊維の豊富な食品(にんじん、リンゴ、海藻類など)や発酵食品(ヨーグルトなど)を取り入れる
◆なるべく決まった時間にゆっくりと良く噛んで、楽しく食事をするように心がける
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“過敏性腸症候群”の治療薬

十分なカウンセリングと生活・食事指導、心理的療法などで改善しない場合は薬物による治療が行われます。西洋医学では主に消化管運動調律剤(セレキノンなど)や過敏性腸症候群治療剤(ポリフルなど)が使用されます。
それでも改善されない場合は優勢症状に基づき薬剤が追加されます。
腹痛には抗コリン剤(チアトンなど)、下痢には乳酸菌製剤(ビオフェルミンなど)や止瀉剤(ロペミンなど)、便秘には緩下剤(マグラックスなど)、
精神症状や不安が強く見られる時は抗不安薬などが選択されます。
このように内科や消化器科、心療内科など複数にかかることが多く、
それにより併用薬も多くなる傾向にあります。

一方、東洋医学では…

香り豊かなハーブを利用したアロマテラピーやヨガ、気功法などもありますが、一般的には生薬を組み合わせた漢方薬が使用されます。
主に鎮痛・鎮痙作用のある生薬(芍薬、甘草など)、抗ストレス作用のある生薬(柴胡、牛黄など)、気を補う生薬(人参、白朮など)、気の巡りを良くする生薬(桂皮、白蘞など)が選択され、IBSに使用される代表的な漢方薬としては桂枝加芍薬湯(桂皮・大棗・生姜・芍薬・甘草)、人参湯、香蘇散などがあげられます。
漢方薬の多くは症状に対する改善効果だけでなく、疾患の原因を解消する作用も有しており、現代医療において東洋医学の果たす役割がますます大きくなってきています。

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