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生薬

大棗(タイソウ)

おもな薬能
精神安定、整腸、滋養強壮


大棗
クロウメモドキ科のナツメを軽く湯通しして乾燥させたものです。

別名

紅(こう)棗(そう)、棗(なつめ)

薬味 薬性 帰経

薬味:甘 薬性:温 帰経:脾・胃

性 状

クロウメモドキ科ナツメおよび同属植物の成熟果実を乾燥したもので、『神農本草経』の上品に収載される。秋に紅熟した果実を採取し、軽く湯通しして乾燥する。

成 分

サポニンとしてジジフスサポニンⅠ~Ⅲ、ジュジュボシドなど。トリテルペノイド、糖類、有機酸、cAMP、13種のアミノ酸、セレンを含む36種の微量元素など。

薬理作用

  • cAMPの上昇作用による抗アレルギー作用
  • 抗体産生抑制作用 
  • 体力増強作用
  • 肝庇護作用
  • 抗コレステロール作用 
  • 鎮静催眠作用
  • 降血圧作用 
  • 抗がん及びがんの突然変異抑制作用など。

古典での薬理薬能

甘草に比べ補脾作用と養血作用に優れるが、
緩急止痛は弱く瀉火解毒・潤肺作用はない

補気補脾
脾胃の機能を補う。薬力は弱く、他の健脾薬の補助として使用される。甘草に比べ、脾を温め機能を高める。養血作用にも優れ、脾胃虚証の食欲不振・下痢・倦怠感などに使用。        (処)参棗丸

養血安神
補気とともに血を補い、心神を安定させ、肝経の急迫を治す。

  1. 血虚証の羸痩(*)・顔色不良・頭重・視力低下・霧視・めまい・過少月経・閉経などに使用。 (処)帰脾湯
  2. 心気を補い心神を安定させる。心気虚証や臓躁証、さらには心虚肝鬱証・臓躁証などの精神情動失調・精神不安・不眠・焦燥感などに使用。 
    (処)甘麦大棗湯

薬性緩和
特に脾胃の保護作用に優れる。また解表薬に配合され脾胃の機能を調整し止汗による傷陰を防ぐ。  (処)桂枝湯

適応病証

  1. 消化器系の強化薬として胃弱・食欲不振、倦怠無力感、下痢などの症候を呈する病態では、人参・白朮・茯苓・生姜などと配合して用いる。  
  2. 精神疾患で、不眠・不安感・焦燥感などの病態では、甘草・小麦などを配合する。
  3. 血小板減少性紫斑病や過敏性紫斑病などに多量に用い、有効といわれている。

注意 禁忌

  • 湿気を増長させるので、湿証・胸腹部気滞証・嘔吐者には禁忌。
  • 潤性と熱性があるので、痰熱や湿熱証には使用しない。

豆 知 識

感染症などによる邪気の攻撃療法としての処方では、薬物の副作用や激しさを
緩和する目的で用いられる。

(例) 葶藶大棗瀉(ていれきたいそうしゃ)肺(はい)湯(とう)の大棗は、葶藶(ていれき)子(し)の薬性の激しさを緩和し、肺臓を傷めつけないために配合している。

十(じゅう)棗(そう)湯(とう)では、芫(げん)花(か)・甘遂(かんすい)・大戟(たいげき)などの強烈な駆水剤の薬性を緩和し、胃腸系を保護する目的で用いる。

陸佃の『埤雅』に「大なるを棗といい、小なるを棘(きょく)という」とあり、棘は酸棗(サネブトナツメ)のことである。

大棗を含有する製品

牛黄清心元
十神湯分包顆粒