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生薬

川芎(センキュウ)

セリ科のセンキュウの根茎を湯通しして乾燥させたものです。

おもな薬能

鎮静、鎮痛、貧血、冷え性、生理不順、生理痛

別名

芎藭(きゅうきゅう)、撫芎(ぶきゅう) 川藭(せんきゅう)

薬味 薬性 帰経

薬味:辛 薬性:温 帰経:肝・胆・心包

性 状

日本産セリ科UmbelliferaeのセンキュウCnidium officinale MAKINOの根茎を通常湯通しして乾燥したもの。東南アジアの市場では「日芎」と称する。
中国産セリ科UmbelliferaeのセンキュウLigusticum chuanxiong ORTORUMの根茎を乾燥したもの。

『神農本草経』の上品に収載される。多くは栽培され、野生品もある。四川省産のものが優れているため川芎と称する。秋期茎葉が黄色になり始めたころに堀り上げ、子根及びひげ根を去り、半乾後に60~80℃の湯に15~20分芯まで熱が通るくらいまで浸し、湯通しをした後通風の良い場所で乾燥する。

商品には、川芎と撫芎があり、川芎のほうがやや優れる。根茎は結節状拳形の
団塊で直径1.5~7㎝、表面は黄褐色。粗造で皺縮し、多数の平行に隆起した輪節がある。質は硬く折れにくい。断面は黄白色~灰黄色。油性があり香気の濃郁のものがよい。肥大して質が充実していて外皮が黄褐色で内部が黄白色で菊花心のものがよく、これにより等級が分けられる。中国では芎窮(キュウキュウ)と称し、四川省産のものが良品であったため川芎が通称となった。

成 分

精油を1~2%含み、リグスチリド、ブチリデンフタリド、ブチルフタリド、ネオクニジリド、クニジリド、セダノリド、センキュウノリドなどが含まれる。

薬理作用

心血管系に対する作用 

  1. 心血管系に対する作用
    1. 冠動脈拡張作用及び抹消血管拡張作用は、脳血液関門を容易に通過し、脳血液循環を改善する。
    2. 抗血栓形成作用
      フェルラ酸は、抗血小板凝集作用として、血小板の表面活性を低下させ、さらに血小板内のcAMP含有量を増加。TXシンテターゼを抑制し、TXA2の合成を減少させる。
    3. 微小血管の拡張により微小循環系の改善作用を示す。
    4. カルシウム拮抗作用:一般には心収縮力を増大し、心拍数を減少させるが、大量では心筋肉のCa2+流入作用を示す。そのため血圧は降下する。
    5. 心筋虚血や不整脈に対し保護作用を示す。

  2. 血液レオロジーの異常に対し、調整作用に働く。たとえば全血粘度、血漿比粘度、血小板の粘着率を低下させる。
  3. 中枢神経に対し、鎮痛、鎮静に働く。また、脳血液の増加作用、脳虚血に際し血小板を賦活、PGI2とTXA2のバランスを調節、脳血管の拍動性血液容量を増加させ、慢性微小循環障害の改善作用を示す。
  4. 抗平滑筋痙攣作用:特にフェルラ酸とテトラメチルピラジンは、抗子宮平滑筋痙攣作用が明らかにされている。このことは、月経困難症、月経痛の治療作用として現れる。また、子宮収縮増強作用を示す。
  5. 放射線の照射とくにCo照射後あるいは、ニトロゲンマスタードによる損傷に対して保護作用を示す。さらに放射線による繊維化、白血球や血小板の減少にも治療作用を示す。
  6. そのほか抗ビタミンE欠乏作用、抗菌作用などが認められている。

古典での薬理薬能

&deco(red){血中の気薬《本草綱目》といわれ行気作用が強い活血薬。
活血し気を巡らせ止痛調経する};

活血行気
血を温めよく気血を巡らせる。瘀血気滞証に多用される。

  1. 血海(子宮)に作用し、月経・月経障害・難産・産後腹痛・閉経などに使用さ
    れる。また外傷打撲の瘀血腫脹にも用いられる。
    1. 月経痛・月経障害   (処)四物湯・芎帰調血飲
    2. 虚寒証       (処)温経湯
    3. 虚寒瘀血の産後排泄不全・腹痛   (処)生化湯
    4. 外傷        (処)治打撲一方・托裏消毒散
  1. 気の鬱滞を除き(疏肝)、胃の働きを調整する(和胃)。肝鬱気滞や瘀血による季肋部痛・腹痛・胸痛・痞塞感(*)などに使用 
    1. 気滞証     (処)柴胡疏肝散
    2. 瘀血気滞証   (処)血府逐瘀湯
  2. 瘀血性の癥(ちょう)瘕(か)(*) (腫瘍)     (配)紅花・延胡索
  3. 皮膚化膿症・狭心痛や脳血管障害     (配)鬱金・丹参

祛風止痛
升散性があり、頭部や皮膚・関節に作用し経絡の気血をよく巡らせる。

  1. 「頭痛の重要薬」といわれ、風寒・風熱・風湿などの各種の頭痛に多用。特に少陽部頭痛に適するが、他部も可。
    1. 風寒頭痛   (処)川芎茶調散   
    2. 風熱頭痛   (処)川芎散
    3. 風湿頭痛   (処)羌活勝湿湯   
    4. 血虚頭痛   (配)当帰・白芍薬

  2. 風湿痺証の筋関節痛やしびれ・半身麻痺などに使用。  (処)大防風湯

適応病証

  1. 頭痛・偏頭痛     
  2. 狭心症、心筋梗塞などの冠状動脈硬化性疾患
  3. 脳虚血性疾患:一過性脳虚血発作・閉塞性脳血管疾患     
  4. 月経不順による月経困難症、月経痛  
  5. 再生不良性貧血、顆粒細胞減少症、血小板減少症
  6. 放射性障害 
  7. 感染症の補助的療法

注意 禁忌

陰虚火旺・月経過多・出血症には禁忌

川芎を含有する製品

牛黄清心元
十神湯分包顆粒
野中鳥犀圓