日本製薬商事オフィシャルサイト

ちょっと役に立つはなし

画像の説明

肝臓疾患  国内最大級の感染症:C型肝炎
C型肝炎の治療法
健康な肝臓を作る

第59号 肝臓疾患  国内最大級の感染症:C型肝炎

他人事ではない?:C型肝炎

年間約3万5千人が肝がんで亡くなっています。
そのうち約8割の人がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染しており、感染者は約200万人とみられています。現在わが国には100人に1~2人の割合で、C型慢性肝炎の患者、あるいは本人も気づいていないC型肝炎ウイルスの持続感染者(HCVキャリア)がいると推測され、“21世紀の国民病”とまでいわれています。
感染しているHCVは、治療薬インターフェロンが効きにくい1b型が大半を占め、70~85%にものぼります。
主に注射や輸血など医療行為で広がった感染症で、血液製剤を投与されC型肝炎に感染した被害者が、国と製薬会社に損害賠償を求めた訴訟「薬害C型肝炎訴訟」、またそれを受けた「C型肝炎感染被害者救済法」の成立は記憶に新しいところです。

C型肝炎とは

<症状>
肝臓へのC型肝炎ウイルス(HCV)の感染により、炎症が続き、
細胞が壊されることで、肝臓の働きが悪くなる病気です。
症状として、全身倦怠感に続き、食欲不振、悪心・嘔吐などがあらわれることがあります。
しかし、ほとんどの人では自覚症状がなく、約70%の人がウイルスの持続感染者(HCVキャリア)になるといわれています。
放置すると慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する場合があり、肝がんの約70%はHCVに感染していることが明らかにされています。
ただし、感染してもすぐに肝臓がんになるのではなく、数年から数十年という年月をかけて進行します。

<検査>

画像の説明

HCVの感染により、肝臓の炎症が起き、細胞が壊されると、肝細胞に多く含まれるAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、GOT)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ、GPT)という酵素が血液の中に流れだします。
基準値(正常値)は医療機関によって異なりますが、およそ40 IU/L以下、35 IU/L以下と設定されています。
一般的にAST、ALTが高値であるとき、「肝機能異常」といいます。
AST、ALTの異常があった場合は、検査を受け、肝機能異常の原因がHCVによるものか確認しましょう。
HCVの感染を確かめるためには、ウイルスの抗体あるいはウイルス遺伝子を調べる血液検査が行われます。

じっと我慢の臓器:肝臓 

画像の説明

肝臓には旺盛な再生能力があります。
半分以上の肝細胞が壊れても、他の肝細胞がカバーして肝臓としての機能を維持することができます。
そのため異常に気付くことが難しく、“沈黙の臓器”と呼ばれます。

どのような治療法があるのか

<西洋医学的アプローチ>
抗ウイルス療法と抗炎症療法の二つに大きく分けられます。
抗ウイルス療法は、HCVの排除による完全治癒目的として、インターフェロン、ペグインターフェロン、リバビリンが使用されます。
抗炎症療法は、肝機能改善による肝炎の悪化防止を目的とし、グリチルリチン配合剤、ウルソデオキシコール酸が使用されます。
標準的な治療法としてインターフェロンとリバビリンが併用されますが、
程度の個人差はあるものの副作用の頻度は少なくありません。

<東洋医学的アプローチ>
肝臓疾患に伴う諸症状に対して使用される漢方薬をまとめました(下表)。
柴胡剤(*印)が代表的なもので、柴胡には肝臓の機能を整える作用があり、
胸部から腹部へかけての緊張を緩め、肝臓の代謝をよくします。

漢方薬    
大柴胡湯*  
体力が充実して、脇腹からみぞおちにかけて苦しく、便秘の傾向がある

桂枝茯苓丸  
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなど

桃核承気湯  
体力中程度以上で、のぼせて便秘しがち

小柴胡湯*  
体力中程度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつく

加味逍遙散* 
体力中程度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向がある

補中益気湯* 
体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすい

小柴胡湯について、インターフェロン療法との併用は間質性肺炎を起こす危険があり禁忌とされています。
使用に際しては、すでに受けている治療法を必ず確認してください。

健康な肝臓のために

最近、活性酸素やフリーラジカルといった酸化ストレスが、肝細胞を破壊し、
肝炎を悪化させることが知られています。
さらに、肥満や糖尿病が肝炎を進行させることも報告されており、体重や血糖値のコントロールも重要です。
日頃の食事の注意、精神的、身体的ストレスのない生活の心がけ、定期的な検査での確認といった健康管理が大切です。

画像の説明

特に食生活では、次のような肝臓をサポートする食べ物を摂るように
心がけましょう。
シジミ、カキ、ドジョウ、大根、納豆、リンゴ、レモン
画像の説明

HCV研究に日本人研究者が大きな貢献!!

画像の説明

HCVは、生体外で増殖させることができず、ワクチン開発が困難とされていました。
しかし、2005年に加藤、脇田両博士(東京都神経科学総合研究所 当時)は、
世界で初めて培養細胞での感染性HCV粒子の生成に成功し、HCVワクチン開発の道が拓かれました。

↑ページのトップへ