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認知症と生活習慣病
アルツハイマー型認知症
高血圧との関連

第62号 認知症と生活習慣病

世界は老い始めた (マーガレット・チャン)

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世界保健機関(WHO)によって、認知症に関する初めての報告書が発表され
(2012年4月)、世界の患者数は40年後には今の3倍に増えると予測されています。
国連の人口推計によると100人に1人以上が認知症を発症する見通しになります
(現在は200人に1人の割合)。
まさに押し寄せてくるような高齢化の中で、認知症をいかに回避するかがますます重要となってくるでしょう。今回は生活習慣病と認知症の関係をまとめました。

高血圧と認知症

<認知症とは>

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認知症は、「脳や身体の病気が原因で記憶・判断力などの障害がおこり、
普通の社会生活が困難になる状態」をいいます。いくつかに分類され、
脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症などがあります。
このうち、アルツハイマー型認知症は半数を占めるといわれます。
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)や血管が破れて出血した状態(脳出血)などにより脳に栄養が行かなくなって起こり、アルツハイマー型認知症は脳細胞が変性したり消失した結果、脳が萎縮して起こります。

<高血圧の影響>
これまで高血圧の合併症としては、脳出血、脳梗塞、心疾患、腎硬化症などが
知られていました。しかし、高齢化の進行に伴い、より長期間にわたる影響として認知症との関係が注目されています。認知症との関係では高血圧は脳血管性認知症の危険因子とされていました。
しかし、近年の研究により、中・高年期の高血圧が認知機能の低下やアルツハイマー型認知症の発症にも関連していることが分かってきました。
晩年期の認知症発症を予防するうえで、若年期からの高血圧管理の必要性が
認識されてきています。
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<歩く速度と握力にご注意>

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歩行速度や握力から認知症や脳卒中の将来的ななりやすさが予想できるかも
しれません。11年間に渡って、約2400人(平均年齢62歳)の歩行速度、握力、認知機能が追跡調査されました。その結果、歩行速度が遅かった人では速かった人に比べて認知症の発症リスクは1.5倍高くなっていました。
また、握力の強い人では、65歳以上の人に限り、脳卒中のリスクが42%低くなっていました。さらに握力の強さは認知機能だけでなく脳容積の大きさとも
関係がありました。
できる範囲で意識的に速く歩いたり、しっかり握ったりするのは脳にとって
効果がありそうです。

認知症への対策(高血圧との関連から)

<高血圧の治療が認知症の予防に!?>

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血圧の高い人は降圧剤を服用しますが、いくつかの大規模な研究によって、
高血圧を治療すれば認知症の発生を予防し、進行を抑えるという報告があります。

<予防の鍵は「健康なからだ」>
高血圧の予防や治療への取り組みは、脳卒中や心臓病といった心血管病の
予防に有効なだけでなく、認知症の可能性を小さくするので、まさに一石二鳥です。
薬を飲むだけでなく、塩分を減らしたり、適度に運動するといった生活習慣の改善も重要です。次の点に注意しましょう。

☆食事

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塩分控えめの食事は高血圧の予防に有効ですが、「減塩に王道なし」です。
地道に取り組みましょう。例えば食品選択では、ちくわなどの練り製品、
ソーセージなどには注意が必要で、かまぼこ1切0.8g、ハム1枚0.6gの食塩が
含まれます(高血圧治療ガイドラインが基準とする数値は6g未満)。

☆運動

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有酸素運動の継続が高血圧の改善に有効です。
毎日30分のウォーキングが奨励されています。
運動量や強度の目安は「汗ばむ程度」、「少し息が上がっていても話はできる程度」
です。

☆脳を使う生活など

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趣味などを持って生活を楽しむことも認知症の発症を抑えるといわれています。
病気により引き起こされた機能の低下を、学習活動、運動などが補ったことを
示唆する報告がなされています。

東洋医学にできること

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漢方医学でも認知症の諸症状に対する薬物療法は古くから行われてきました。
退行性神経性疾患である認知症に対して、漢方ではオ血であるとの認識から
様々な方剤が用いられています。

釣藤散
体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの
次の諸症:慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの

当帰芍薬散
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、
月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、
足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

黄連解毒湯
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向の
あるものの次の諸症:鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症、
めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎

抑肝散
体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどが
あるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、
歯ぎしり、更年期障害、血の道症

抑肝散加陳皮半夏
虚弱な体質で神経がたかぶるものの
次の諸症;神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症

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