日本製薬商事オフィシャルサイト

生薬

人参(ニンジン)

おもな薬能
強精、強壮、疲労回復、健胃、精神安定


画像の説明

ウコギ科オタネニンジンの根で、
細根を取り除き皮をむいて日干しにしたものです。

別名

紅参、白参、野人参、

薬味 薬性 帰経

薬味:甘・微苦 薬性:温 帰経:心・脾・肺

性 状

ウコギ科オタネニンジンの根またはこれを湯通しして乾燥したもの。野生品を山参、栽培した物を園参,朝鮮産のものを高麗参、朝鮮人参などという。

『神農本草経』の上品に記載があり歴代の本草書に多数収載されている。日本では福島県の会津地方、長野県北見町、島根県の大根島。中国では、吉林省が中心で長白山脈沿いの産地が有名。黒竜江省・遼寧省が産地、吉林省でも朝鮮民族が住んでいるあたりが産地。

成 分

サポニン(ギンセノシドなど)・精油(パナキシノール、パナキシドール)、有機酸、塩基性物質・ビタミン(B1・B2・B12・C・ニコチン酸・葉酸・ビオチン)フラボン・銅・鉄・亜鉛・カルシウム、酵素(アスパラーゼ・アミラーゼ・ジアスターゼ)など。

薬理作用

  • 非特異的免疫力の増強:
    ストレス・病原体の対する適応能力の増進。
    生理的機能を調節し正常化させる。
  • 脳下垂体刺激:
    ACTHの分泌を促進させ副腎皮質のcAMPを増加。さらにコルチコステロイドの合成と分泌を促進する。これは、抗炎症・抗アレルギー・抗感染および生理機能の調節面に重要である。
  • 造血作用
  • 性腺刺激ホルモン様作用
  • 心筋収縮力を増強作用
  • 降血糖など代謝調節作用
  • 食欲増進作用
  • 抗疲労作用
  • コレステロールの代謝調節作用
  • DNA・RNA・たんぱく質・脂質などの合成促進作用

古典での薬理薬能

補気の最重要薬。固脱作用を有し潤性で生津・安神作用に優れる

大補元気
人体生存の根本的気(元気)を大いに補い、気の流失を防ぎ(固脱)、元気を回復させる。

  1. 虚労内傷・出血・多汗・吐瀉などにより、元気が衰退した病態(気虚症)や
    気脱による亡陽に使用される。
  2. 気脱による顔面蒼白・呼吸微弱・脈微細   (処)独参湯
  3. 気脱に四肢冷感・自汗などの亡陽が伴う時  (処)参附湯、四逆加人参湯
  4. 気と陰の虚脱で息切れ・倦怠・口燥・少苔 (処)生脈散
  5. 元気を補い補腎壮陽する。他の補腎薬と配合し腎陽虚証などに使用される。
    (処)人参鹿茸丸


補脾益肺
脾胃の気の機能を高め(補脾)、肺気を補い満たす(益肺)。

  1. 脾気虚による食欲不振・下痢・嘔吐・倦怠感・四肢脱力感などや、脾虚による
    中気下陥証に使用される。
    1. 脾気虚   (処)四君子湯、六君子湯
    2. 脾陽虚証の冷感・水様便など   (処)人参湯、桂枝人参湯
    3. 湿証を伴う脾虚証の慢性下痢   (処)啓脾湯、参苓白朮散
    4. 痰飲を伴う脾虚証の悪心・嘔吐・小便不利・めまいなど (処)茯苓飲、半夏白朮天麻湯
    5. 中気下陥  (処)補中益気湯
  1. 肺虚証による慢性の咳嗽・喘息・息切れ・倦怠感・易汗・易感冒などに使用。
    1. 肺腎両虚証   (処)補肺湯、人参蛤蚧散
    2. 慢性の咳嗽  (配)款(かん)冬(とう)花(か)、五味子、百部(びゃくぶ)


益気(えっき)生津(せいしん)
気を補い津液をさらに潤し(生津)口渇を止める。
消渇・熱病などで気虚し、津液が消耗した証(気虚傷津)や気陰両虚証に使用。

  1. 熱病の気虚傷津による熱感・口渇・多汗など (処)白虎加人参湯、竹葉石膏湯
  2. 気陰両虚証の動悸・口渇・熱感・倦怠感・息切れ・少苔など (処)炙甘草湯、麦門冬
  3. 消渇病   (処)麦門冬飲子


益(えき)智(ち)安神(あんじん)
気を補うことで心神の安定を図り見識力を高める。気虚証や血虚証などによる不眠・多夢・動悸・健忘・不安などに使用。

  1. 心脾両虚(気血両虚証)   (処)帰脾湯
  2. 心腎両虚(陰虚証)   (処)天王補心丹

補気生血・摂血
補気により陰血の生成を促進。血虚・気血両虚などに使用。
(処)四物湯、十全大補湯

扶正祛邪
祛(きょ)邪(じゃ)薬に配合し、補気で正気を強めて邪を除く。邪盛正虚証や虚証体質の感冒などに少量使用。

  1. 気虚の感冒  (処)参蘇飲、人参敗毒散
  2. 気虚の便秘  (処)黄竜湯

適応病証

  1. 表証を呈するかぜ症候群
  2. 悪心・嘔吐を呈する胃寒性疾患 
  3. 魚類系の中毒症・生半夏や生天南星による中毒症

注意 禁忌

火邪を助長し邪をとどめるので、実証・熱傷には禁忌

豆 知 識

水参(スイジン)掘りたての御種人参(オタネニンジン)で75%の水分を持ちますが、保存もきかず高麗人参の効果は持ち合わせない。
生干人参水参を水洗いし、細根を除き外皮を剥がずそのまま乾燥した黄身がかった色もの。
湯通し人参一般にこれをオタネニンジンと称している。人参を水洗いし細根を除き外皮を剥がずに湯通ししてから、乾燥したもの。
白参(ハクジン)水洗いし、細根を除いて外皮を剥ぎ乾燥したもの。直(ちょく)参(じん)・半(はん)曲(きょく)参(じん)・曲参などがあり、日本で主に流通するもの。皮の近くにサポニンなどの有効成分が多くあるため、外皮を剥ぐ白参は、紅参より薬効は弱い。
紅参(コウジン)水洗いし細根を除き、外皮を剥がずに圧力釜で蒸し、赤褐色になった人参を乾燥させたもの。6年もの以上が良いとされるが希少価値が高い。

人参を含有する製品

牛黄清心元
キングホルンZ