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生薬

竜脳(リュウノウ )

おもな薬能
熱性痙攣、咽喉痛、歯痛、眼疾患

画像の説明



マレー・スマトラ島、ボルネオ島の低地に自生する常緑高木、フタバガキ科リュウノウコウの樹脂などを加工したものです。

蝋白色の芳香物質で香料・薬用に用いられます。

別名

冰片(ひょうへん)、龍(りゅう)脳(のう)香(こう)、片(へん)脳(のう)、梅花(ばいか)脳(のう)、

薬味(やくみ) 薬性(やくせい) 帰(き)経(けい)

薬味:辛・苦 薬性:微寒 帰経:心・脾・肺

性 状

 双羽(ふたば)柿(がき)科龍脳香樹脂を加工したもの。『唐本草』に収載されている。竜脳は、幹内の空隙に純粋な結晶状で発見される蝋白色の芳香物質で香料・薬用に使われた。古くから中国・ヨーロッパなどにもたらされ、てんかん、頭痛、内臓痛、眼病、歯痛に効くとして高価で売買されてきた。竜脳樹はマレー・スマトラ島、ボルネオ島の低地に生える常緑高木で、樹高60m前後、直径1.2mにもなる。竜脳樹属(Dryobalanops)は7種からなり、果実(種子) は5枚の翼をもち、木から落ちるとき羽根をいっぱいに広げくるくる回りながら落ちてくる。

成 分

ほとんどがd-ボルネオールで、多種のテルペン類(フムレン、β-エレメン、カリオフィレンなどのセスキテルペン、オレアノール酸)など。

薬理作用

  • 抗菌作用、抗炎症作用、外用では微弱の防腐作用
  • d-ボルネオールは局所に用いると末梢感覚神経に軽度の刺激作用及び鎮痛作用を有する。
  • 食道がん、胃がんや骨転移がんなどの鎮痛作用。
  • 抗組織のO2欠乏作用
  • 中枢神経の興奮作用
  • 抗妊娠作用

古典での薬理薬能

麝香より薬効は劣るが、清熱止痛に優れる開竅薬。熱閉に使用

芳香開竅
麝香と同様の開竅作用を有するが、薬力は麝香よりやや弱い。微寒性の凉開薬で、主に熱閉に使用される。意識障害・中風・四肢痙攣や硬直・熱中症の意識障害や筋肉痙攣硬直・高熱の痙攣などに用いられる。

熱閉至宝丹・安宮(あんぐう)牛(ご)黄丸(おうがん)
寒閉蘇合(そごう)香(こう)丸(がん)

清熱止痛
良好な清熱止痛作用を有する。咽頭腫脹疼痛・口内炎・歯齦炎・鵞(が)口(こう)瘡(そう)・目瞼充血腫脹・皮膚化膿症など、主に頭部の熱毒による腫脹・疼痛・化膿疾患に使用される。また防腐止痒作用もある。外用(塗布など)でも多用される。眼瞼充血腫脹には点眼も可。

眼部・口部・咽頭などの化膿腫脹疼痛牛黄清心丸
咽頭腫脹・歯齦(しぎん)炎など(塗布)冰(ひょう)硼酸(ほうさん)・錫類散(しゃくるいさん)
鵞(が)口(こう)瘡(そう)四宝丹

適応病証

  • 頭痛
  • 口内炎・咽頭痛・歯槽痛など
  • 末期肝がんの疼痛
  • 意識障害を呈する疾患

注意 禁忌

  • 妊婦には禁忌。 
  • 経口ではLD502.0g/kgとされている。
  • 溶解しやすいため、高熱や火を避ける。

豆 知 識

  • キク科Compositae艾(がい)納(のう)香(こう)Blumea balsamifera DCから得たものを艾片(がいへん)といい、Terpentiveから加工したものを「機片」という。現在はこれらを竜脳の代用品として用いることが多い。
  • 合成竜脳は、主としてボルネオール、イソボネオール、カンファー(樟脳)を含む。玄宗皇帝に献上された龍脳は蝉の羽のように透き通り、繭のように白かったことから「蝉蚕(せんさん)」とも呼ばれていたという。この貴重な龍脳を匂袋にして、玄宗皇帝は楊貴妃に分け与えた。その後玄宗皇帝は、元録山の乱で反乱軍に追われ、楊貴妃は犠牲となった。馬嵬坡の土に埋葬された楊貴妃の遺体は、玄宗皇帝が復権したのち都に運ばれた。このとき楊貴妃の遺体からは玄宗皇帝が分け与えた龍脳の香りが漂っており、玄宗皇帝が涙したという

竜脳を含有する製品

牛黄清心元