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生薬

蜂蜜(ハチミツ)

おもな薬能
潤肺、補中、止痛


蜂蜜

ミツバチ科の西洋ミツバチ及び東洋ミツバチがその巣に集めた花の蜜です。

別名

白(はく)蜜(みつ)、黄蜜、生蜜、煉蜜、百花精、蜜糖

薬味 薬性 帰経

薬味:甘 薬性:平 帰経:脾・肺・大腸

性状

ミツバチ科のヨーッロッパミツバチ、またはトウヨウミツバチがその巣に集めた甘味物。『神農本草経』の上品に「石(せき)蜜(みつ)」の名で収載されている。

花の蜜の成分はショ糖(砂糖)が主体でおおむね10%ぐらいの糖液で、この花蜜を蜜蜂の体から分泌されるインベルターゼという酵素によって消化する。ショ糖は果糖とブドウ糖が結合したもので、花蜜は蜜蜂の体内で果糖とブドウ糖に変化する。また花蜜は糖度が10%程度だが、蜜蜂はこれを巣に持ち帰ったあと羽をはばたかせ、この花蜜を乾燥させる。

 蜂蜜は保存性に優れており、エジプトでピラミッドの発掘をしていた米国の考古学者T.M.デービスが約3300年前の蜂蜜の入った瓶を発見。その蜂蜜は全く変質していなかったと記録されている。蜂蜜は糖の過飽和溶液であり、低温で結晶化する。この結晶化したほうがブドウ糖で、結晶化しない蜜の部分には果糖が多く含まれている。結晶は、容器の蓋をはずして湯煎などで温めれば元の液状になり、品質上全く問題はない。 花粉などの不純物が多いと結晶しやすくなる。

成 分

果糖40%、ブドウ糖32%、水分18%、オリゴ糖7%、その他の成分3%など。果糖・ブドウ糖は消化しやすく、体の中に入るとすぐ吸収される。

その他の成分としては、ビタミン(ビタミンC・ナイアシン・ビタミンB群)
ミネラル(カリウム・ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄分など)
花の種類によって含量が異なるが、ミネラルの多いハチミツとしてはソバ、栗、綿などで、相対的に色の濃いハチミツはミネラルが多いといわれる。
たん白質(0.2~1%)、有機酸(グルコン酸)、アミノ酸(ほとんどがプロリン)など。

薬理作用

  • 鎮静
  • 疲労回復
  • 二日酔い
  • 口内炎
  • 気管支炎・咳止め・去痰
  • 胃十二指腸潰瘍・整腸作用・便秘
  • 創傷・打ち身・捻挫
  • グルコン酸やオリゴ糖が腸内のビフィズス菌の活動を促し、成人病や貧血を防いだり、老化を防いだり、胃腸の働きを整えます。

古典での薬理薬能

飴糖に比べ、潤肺止咳・潤腸通便作用に優れる

補中緩急止痛
補気補脾すると同時に止痛する。平性であり、飴糖に比べ薬力と温性は弱い。脾胃虚証の胃痛・腹痛・食欲不振・倦怠感などに使用される。
  ①脾胃虚証        (配)桂枝・乾姜・炙甘草・白芍
  ②寒疝腹痛・四肢厥冷など (処)大烏頭煎

潤肺止咳
肺を潤し止咳する作用に優れ、また益気する。肺陰虚や肺虚証による、乾咳・少痰や無痰・息切れなどに使用。また血痰・咽頭瘙痒感・咽頭乾燥などにも使用。

  1. 肺燥の乾咳・少痰や無痰・咽頭乾燥など  (処)杏仁膏
  2. 虚労の乾咳・喀血など          (処)瓊玉膏

潤腸通便
潤腸通便とともに補益する。虚証の腸燥便秘に多用。
(配)当帰・黒胡麻

解毒・緒薬調和

  1. 解毒作用があり、火傷・皮膚化膿症・口内炎などに使用。外用も可。
  2. 薬性を緩和し他薬の補益作用を増強する。
    1. 附子・烏頭などの毒性の緩和。
    2. 款冬花・紫苑などの止咳薬の薬力増強などに使用。
    3. 粘着性を利用し丸剤や軟膏の賦形剤としても用いられる。

炮制時に他の薬物作用を増強させるために使用。

注意 禁忌

湿気を助長するので、湿証には使用しない。 下痢や小児(特に1歳以下)には禁忌。

豆 知 識

  • 蜂蜜は、高い栄養価をもち1kgあたり2940kcalの熱量がある。
  • 薬効的に同類と言えないが、ロイヤルゼリー、プロポリスがある。
    ロイヤルゼリーミツバチの雌が花粉を食べて、体内で給餌用のたんぱく質に合成し、分泌するゼリー状のもの。
    プロポリス樹木の花や樹皮などから採集した物質とミツバチ自身の分泌物を混合したワックス状の物質。

蜂蜜を含有する製品

牛黄清心元