日本製薬商事オフィシャルサイト

病気の症状・治療法


病気について(高血圧)


もくじ

血圧と血管の特徴

心臓はポンプのように拡張と収縮を繰り返して全身に血液を送り出しています。
血圧は血液が血管壁に与える圧力のことで、心臓が収縮して血液を送り出した時の血管への圧(最高血圧、収縮期血圧)と、心臓が拡張して血液が流入してきた時に血管が元の太さに戻りながらかかる圧(最低血圧、拡張期血圧)をいいます。

血圧は比較的太い腕の動脈で測ることが一般的です。

血圧は次のようにあらわすことができ、血圧に関与する血管の特徴は以下のとおりです。


<血圧=心拍出量×末梢血管抵抗>

種類大動脈動脈細動脈毛細血管
太さ2.5cm4mm0.2~0.5mm0.005mm
血液の流れ50~60cm20~50cm5cm0.05~0.1cm
血圧80~120mmHg35mmHg15mmHg
血管の状況画像の説明画像の説明画像の説明




高血圧の分類

高血圧とは、血管にかかる圧が異常に高くなった状態が続くことをいいます。

高血圧は、何年もかけて様々な臓器に損傷を出しますが、
その間ほとんど症状がでないため「サイレントキラー」とも呼ばれています。

まったく治療していない高血圧は、脳卒中、動脈瘤、心不全、心臓発作、腎障害などを引き起こす危険性を高めます。高血圧は発症原因により、本態性高血圧と二次性高血圧の2つに大きく分けられます。


本態性高血圧

原因がはっきりと特定できない高血圧を本態性高血圧といい、高血圧の約90%を占めます。根本的な治療は困難ですが、コントロールすることは可能です。一般に高血圧という場合、この本態性高血圧を指します。

高血圧は、遺伝的な要因に環境要因が加わることによって発症すると考えられています。遺伝的な要因にはいくつか高血圧に関連する遺伝子が見つかっています。


環境要因は、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、アルコール、喫煙、ストレスなどがあります。また年齢や性別も高血圧に関係しています。これらの要因が心拍出量や末梢血管抵抗に影響することで血圧が上昇します。


二次性高血圧

原因がはっきりと特定できる高血圧を二次性高血圧といい、高血圧の約10%を占めます。別の病気や薬の副作用から引き起こされるもので、原因となる主なものは以下のように分類することができます。

<二次性高血圧の分類>

分類病気高血圧の発症理由
腎性高血圧腎実質性高血圧
腎炎、腎盂腎炎など
腎血管性高血圧
腎機能の障害により、ナトリウムや水分の排泄に異常が起こり、循環血液量が増加。
また、腎臓で主に産生されている昇圧ホルモンが増加し、反対に降圧ホルモンが減少。
内分泌性高血圧原発性アルドステロン症、
クッシング症候群、甲状腺機能異常、褐色細胞腫など
内分泌機能の障害により、昇圧ホルモンが増加し、降圧ホルモンが減少する。
血管異常による
高血圧
大動脈縮窄症、高安病など大動脈縮窄症は生まれつき大動脈の一部が細いため血圧が上昇する。高安病は大動脈やそこから分かれる太い動脈に炎症が起こる病気で循環障害がおこる。
脳・神経系の
異常による高血圧
脳腫瘍、脳外傷など脳が司る神経機能に障害がおこる。
薬剤性高血圧消炎鎮痛剤、エストロゲン製剤、ステロイドホルモン、甘草など腎臓でのナトリウムや水分の排泄障害、降圧ホルモンの産生低下などを起こす。


※昇圧ホルモンにはレニン・アンジオテンシン系、カテコールアミンなど、降圧ホルモンにはカリクレイン・キニン系、プロスタグランディン、心房性Naペプチドファミリーなどがあります。



高血圧の診断基準

高血圧の診断基準は以下のとおりで、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上のどちらかに当てはまる場合に高血圧と診断されます  

画像の説明



高血圧の合併症

本態性高血圧による一般的な症状は頭重感、めまい、息切れなどがありますが、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。高血圧が長期間続くとそれに伴って心臓や血管に負担がかかりはじめ、自覚症状が出る頃には合併症は随分進行しています。

高血圧で大きな問題となるのは、高血圧が動脈硬化を促進する重要な要因となることです。動脈硬化とは何らかの要因で血管が変化して血管壁が硬くもろくなったり、血管壁が厚くなって内部の空間が狭くなったりした状態をいいます。つまり、高血圧が続くと動脈の血管壁は厚くなり、血液の流れる血管の内腔が狭くなります。また血管に高い圧力がかかり続けると血管内膜に傷がつき、そこに血液中のコレステロールが入り込みアテロームと呼ばれる柔らかい塊をつくり血管の内腔を狭くします。動脈硬化にはいろいろなタイプがありますが、高血圧と関連するものには粥状動脈硬化(アテローム性動脈硬化)と細動脈硬化があります。粥状動脈硬化は心臓や脳などの比較的太い血管に起こりやすく、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。細動脈硬化は脳や腎臓、目などの血管で起こりやすく、脳出血や腎硬化症の原因となります。

高血圧の合併症は、動脈硬化が脳や心臓、腎臓、目など各臓器に影響を及ぼすことで引き起こされます。また高血圧になると心臓がその機能を保つために収縮力を高め、そのため心肥大と呼ばれる心筋が肥大した状態となり、ひどくなると心不全に陥る可能性があります。特に心臓や脳で合併症が起きた場合命に関わるため、高血圧のコントロールをすることが重要になります。



高血圧の合併症>

画像の説明




高血圧の治療

高血圧の治療は、血圧をコントロールすることで合併症を未然に防ぐことが重要です。二次性高血圧と診断された場合は原因となる疾患を治療することで血圧は下がります。本態性高血圧と診断された場合、生活習慣の改善と薬物療法の2つを段階にあわせて行い血圧をコントロールします。


生活習慣の改善

生活習慣の改善のポイントは以下のとおりです。

  1. 減塩
    食塩摂取量は1日6g未満を目標とする。

  2. 野菜や果物を積極的に摂り、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
    野菜や果物に含まれるカリウムは尿と一緒にナトリウムを排泄する働きがある。

  3. 適正体重の維持
    肥満により血液を送り込む量が増え、結果として末梢の血管抵抗が大きくなる。

  4. 運動
    運動は末梢血管抵抗を下げるだけでなく健康を維持・増進する様々な効果がある。

  5. アルコール制限
    過度の飲酒は血圧を上昇させる。

  6. 禁煙
    タバコに含まれるニコチンは交感神経の働きを高め血管を収縮させる。



薬物療法

高血圧と診断され、生活習慣の改善を一定期間行っても十分効果が得られない場合に薬物療法を行います。薬物療法は降圧薬によって血圧を下げることで、合併症の予防を行います。


<主に使用される降圧薬の分類>

分類作用と特徴
カルシウム拮抗薬
(アムロジンなど)
カルシウムイオンの血管の細胞内への取り込みを抑制して血管を拡張。現在日本で最も使用されている降圧薬。
ARB
(ニューロタンなど)
昇圧ホルモンであるアンジオテンシンⅡが作用する受容体の働きを阻害し血圧を下げる。妊婦には禁忌。
ACE阻害薬
(レニベースなど)
アンジオテンシンⅡを作り出す酵素の働きを阻害し血圧を下げる。妊婦には禁忌。
利尿薬
(ラシックスなど)
腎臓でのナトリウムと水の再吸収を抑制して循環血液量を減少させる。他の降圧薬に少量追加して使われる。
β遮断薬
(セロケンなど)
交感神経のβ受容体の作用(心臓の収縮強化、昇圧ホルモン産生など)を遮断し、心拍出量を減少させる。
α遮断薬
(カルデナリンなど)
交感神経のα受容体の作用(血管収縮)を遮断し、末梢血管の収縮を抑える。他の薬で十分に下がらなかった場合に追加されることが多い。






受付時間9時~17時 0120-000-382